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新車を買った情報2021 第88回

愛のムカ着火ファイヤー

2021年11月20日 12時00分更新

文● 四本淑三 編集● ASCII

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プレヒートとはなんじゃらほい

 与圧で押し出されたガソリンは、この「ジェネレーター」と呼ばれる真鍮のパイプを通ります。ここを温める儀式を「プレヒート」と呼びます。そうすることでガソリンを気化させるわけです。

 伝統的なガソリンバーナーは、炎口の下に皿のようなものがあり、そこにガソリンをたらして燃やします。

 ムカは「プレヒート不要」をうたっていますが、バーナーに燃料をたらす儀式がないだけで、温めるべきジェネレーターは存在し、実際にはプレヒートに相当するステップも存在します。

 着火直後はガソリンがオレンジの火柱となって炎上します。これが実質的なプレヒートの儀式。この時、私は心の中で「ムカ着火ファイヤーーーーーー!」を叫びます。

 そして各部が温まると、吸気口から吸い込んだ空気で混合気となり、青い炎として安定した燃焼が始まります。

カッコ良いムカの操作系

 こうした着火、プレヒート、火力調整、消火に至るまでのプロセスを、燃料ボトル側のダイヤルひとつで操作します。回転するだけでなく、押して停止、引いて稼働という、上下の操作も受け付けます。

 ローレット加工された金属製のダイヤルはカメラの操作系のようで、一連の動作が集約されていてカッコいい。裏返せば、ここに表現されている操作の意味を理解していないと使ってはいけないものでもあります。

 まずダイヤルを押し込んだ状態で「Stop」にあることを確認。ここからポンピングを開始。内圧が上がってくるとインジケーターが押し出されて、赤いラインが見えてきます。

 ダイアルを引き上げ「Start」に回すと、霧化したガソリンがバーナーヘッドから「シュー」と音を立てて出てくる。これに着火してプレヒートが済んだらダイヤルを「Run」に送ります。この時、プレヒートで大量の空気を消費しタンクの内圧が落ちているので、再びポンピング。そして火力を調整します。

 消火は「Air」まで送ります。これはボトル内の空気だけを送るモードです。これでパイプに残ったガソリンを燃やし尽し、火が消えたら「Stop」へ送ってダイアルを押し下げておしまい。

 着火から消火までちょうど一回転という、輪廻のようなインターフェイス。そしてダイヤルがどのモードにあっても、ダイヤルを押し下げると燃料の供給が止まって消火します。

 分かりやすいとは思うのですが、これもステップを飛ばしてしまうと台無し。たとえばダイアルが上がった状態でRunに入れると、液体のままの燃料が吸気口から流れ出てしまい、そこに着火すると炎上です。

 まず説明書をよく読んで、慌てずに使いましょう。

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