RX 6800 XT環境で検証
今回も簡単にベンチマークを交えつつ検証するが、今回の検証環境を紹介しておこう。各種ベンチマーク計測時のドライバーは記事執筆時では最新のAdrenalin 21.6.2を使用している。
【検証環境】 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 5950X」 (16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz) |
CPUクーラー | Corsair「iCUE H115i RGB PRO XT」 (簡易水冷、280mmラジエータ) |
マザーボード | GIGABYTE「X570 AORUS MASTER」 (AMD X570、BIOS F33i) |
メモリー | G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」 (DDR4-3200、16GB×2)×2 |
ビデオカード | AMD「Raden RX 6800 XTリファレンスカード」 |
ストレージ | GIGABYTE「AORUS GP-ASM2NE6200TTTD」 (NVMe M.2 SSD、2TB) |
電源ユニット | Super Flower「SF-1000F14HT」 (80PLUS TITANIUM、1000W) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」 (May 2021 Update) |
負荷軽減効果はあるが、使いすぎに注意の「FidelityFX CAS」
まずは「FidelityFX CAS(Contrast Adaptive Sharpening)」を紹介しよう。FidelityFXの中で、ゲームへの採用例が一番多い技術であり、「バイオハザード ヴィレッジ」を筆頭に「Horizon Zero Dawn」などのAAAタイトルにおいても、ゲームの画質設定でそのものズバリの表記で見つけることができる。また一部ゲーム(「Borderlands 3」など)では「FidelityFX シャープニング」と表記されることもある。
![](/img/2021/07/06/3225350/l/0b04c189e1f48c74.jpg)
「Borderlands 3」では「FidelityFX シャープニング」と表記される。Configファイルでは“bEnableCAS”という項目に連動するので、内部的にはFidelityFX CASであることが示されている
本来FidelityFX CASは、ゲームの描画処理上で発生してしまう“映像のボケ”を補正するための機能だ。近年のゲームではアンチエイリアスにクローリング(crawling:アンチエイリアス処理をしても輪郭のドットが這うように動いて見えてしまう現象)を防ぐためにTAA(Temporal Anti-Aliasing)を使うことが増えてきたが、TAAで処理することでボヤッとした印象の絵になることがある。
FidelityFX CASでこれを解消されるという訳だ。TAAのみならず動的解像度変更(Dynamic Resolution Scaling)で内部解像度が下がった時の補完にも利用できる。
ではFidelityFX CASの効果をスクリーンショットで比較してみよう。ディスプレーの解像度はどれもフルHD(1920×1080ドット)に統一している。左上には「CapFrameX」を利用してフレームレートを出しているが、この値はあくまで“そのシーン&その瞬間”の値であるため、参考程度に捉えておきたい。
![](/img/2021/07/13/3228452/l/79f62d88c62de9d8.jpg)
FidelityFX CASをオンにすると、壁のシミや金網の表現がよりハッキリした印象になるが、微妙な視点の移動で色が置かれるドットが微妙に変わったせいなのか、FidelityFX CASの効果なのかハッキリとしない
「バイオハザード ヴィレッジ」と「Borderlands 3」ではFidelityFX CASを有効にしてもパッと見て分かる効果は得られない。だがゲームによってはかなり劇的に変わるものもあった。以下に紹介しよう。
![](/img/blank.gif)
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