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E Inkなのに文字盤が美しいハイブリッドスマートウォッチHR「FOSSIL NEUTRA」レビュー

2021年04月20日 09時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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電子ペーパーディスプレーを採用するメリットとデメリット

 最近はディスプレーに電子ペーパーを採用するガジェットが増えている。電子ペーパーはバックライトを必要としない反射式のディスプレーデバイスなので、液晶や有機ELを用いるディスプレーと比べて薄く軽い。また常時オン表示のまま消費する電力を低く保つことができる。これら電子ペーパーの特長に着目して、いち早くハイブリッドスマートウォッチに採用したフォッシル・グループには先見の明があったと言える。

 電子ペーパーは、明るい太陽光下でも優れた視認性を発揮する。NEUTRAが搭載するディスプレーは画数の多い漢字もシャープに表示できるほど精細感が高い。

 反面、バックライトを持たないディスプレーなので夜間など周囲が暗い場所では紙に書いた文字を読むのと同じように視認性が下がる。カラー表示に対応するE Ink方式の電子ペーパーが、スマートウォッチのように一般的なガジェットに採用される形で普及するタイミングはまだこれからと見られている。従ってグレースケール表示の電子ペーパーを搭載する機器はやや見た目が似通った雰囲気になりがちだ。

 フォッシルのNEUTRAは、この電子ペーパーの2つの課題を見事に攻略したスマートウォッチだ。

暗い場所でも電子ペーパーディスプレーの表示が見やすい

屋外の暗い場所でも電子ペーパーディスプレーの文字盤が見やすいようにフロントライトを搭載した

 NEUTRAは暗い場所でも電子ペーパーディスプレーの表示が見やすいように、文字盤を明るく照らせるフロントライトを搭載している。風防(カバーガラス)を指で軽くダブルタップするとライトが点灯する。ライトは少し経つと消えるので、ウォッチを動かすためのバッテリーがむやみに消費されない。

 なお、NEUTRAは専用の充電器をケースの背面に装着してチャージする。フルチャージのステータスから2週間以上のバッテリー持ちを実現しているので、1週間前後の出張や旅行の際にも充電器は自宅に置いたまま出かけられる。ただし使い方によってはバッテリーが早く減ることもあるので注意は必要だ。

インデックスと時分針の縁取りはゴールド。さりげなく映えるデザインとした

 ベゼルは風防の中に配置して、インデックスと時針・分針の縁取りを煌びやかな金属色としたことで、通常の腕時計と同様に暗い場所でも時刻の確認は容易にできる。先端のテクノロジーを際立たせることにだけ固執せず、腕時計としての使いやすさを最優先にしたデザインにフォッシルの巧みさを感じる。

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