普段、猫を撮るときは、というか外出するときは何らかのミラーレス一眼を持っていくわけだが、時にはスマホ(わたしの場合はiPhone)も大活躍するのである。
iPhoneでしか撮れないシーンの代表は「猫が人なつこすぎたとき」。狭いお寺の裏の坂道を上ろうとしてるとき、電柱の横に猫がちょこんと座ってたのである。猫を脅かさないようにそっと撮ろうとしゃがんでズームレンズを望遠にして構えたら、その猫、こっちへとことこと歩いて、いや小走りでくるではないか。
ちょっと待て、ってんで慌てて広角にして撮ったのがこちら。いや心の準備できてなかったらびっくりした。人なつこいにもほどがある。
でもってだな、石垣にそってわたしの横にこようとしたのだ。ここまで近くなられるとカメラは不利。猫が近すぎると取り回しが効かない。まあ超小型のカメラとかコンパクトデジカメならいいけど小さなカメラはiPhoneしかないし。
怖そうな顔してるけど、実はめちゃ人なつこい猫。指を出したらこれである。いきなりごろん。右手で猫をなでながら撮ろうと思ったらカメラじゃ難しい。いや左手でなでて右手でカメラを持てばいいのだけど、この位置だと右手でなでるしかないやん。
そしたらもっとなでろと腹を見せてきたので右手でガシガシ。左手はせっかくだからとiPhoneで動画撮影。動画で撮っちゃったのだ。でも、4K動画ならあとからフレームごと切り出してもこのクオリティー。けっこう使える。ただ、動画から切り出すときはブレてない瞬間を上手に選ぶべし。
冒頭写真も4K動画から切り出したものだ。そんなわけで指で猫と遊ぶときはiPhone。猫を見つけるとそこに(できるだけ)フォーカスを合わせてくれるので片手にiPhone、もう片方で猫と遊ぶべし。
この日、面白い写真が撮れたのでここで披露。2匹の白猫なんだけど、鏡に映ってるようじゃありません? 動きがいい感じの鏡像っぽくて気に入ってる。
飼い猫を撮るときはiPhoneが最強かもしれない。単純な話、家でくつろいでるとき一番身近にあるカメラがiPhoneだからなのだが、スマートフォンも昔に比べると高感度時の画質がぐんと上がり、レンズも明るくなったので室内でもそこそこキレイに撮れるのだ。
たとえばこれ。うちの猫はTVに興味を示すことがまずないんだけど、このときは動いた。猫が反応する番組として有名な「岩合光昭の世界ネコ歩き」。画面を見てぐっと身を乗り出した瞬間、猫の顔がアップになってちょっとびびったうちのかふか。
そのあと、猫たちが餌を食べてるシーンに反応して食べようとするんだけど、いやそこに餌はないから。TVに反応するなら、自分用のごはんをちゃんと食べてくれと思った飼い主なのだった。
というわけで、やたら人なつこい猫がいてついiPhone 12 Pro Maxで撮りまくって「あ、デジタル一眼で撮ってないや」ってことにあとで気づいたので、iPhoneで撮る特集にしちゃいました。
クオリティーとレンズの多彩さで、その時撮りたいイメージを表現できるデジタル一眼と、機動力とシェアしやすさで勝るスマートフォン。使い分けが肝要なのである。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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