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目指せSEOマスター! SEOのプロに初心者が弟子入りしてみた 第1回

初心者がSEO対策のプロに聞く、今どきのSEOの基本的な考え方

2021年03月01日 11時00分更新

文● 貝塚/ASCII

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SEO対策に必要な考え方とは

 そして迎えた講習会の当日。ディテイルクラウドクリエイティブ 執行役員の名取 雄介氏、チーフマネージャーの櫻井 玲子氏の2名が講師を担当してくれることになった。

名取「本日は、なんでも聞いてください」

ーー本日はありがとうございます。まず恥ずかしいんですが、SEOって簡単に言うと、どういうことか、っていうところから教えていただきたいです。

名取「そこからゆっくりいきましょう。『SEO』(Search Engine Optimizationの略)は日本語に直すと、『検索エンジン最適化』ということなんです。広義では、検索エンジンでの検索結果の上位に表示されるように、サイトの内容やサイトの構造を調整すること。狭義には、その対策をして、『検索エンジンからの流入を増やしていくこと』を指す場合もあります。

 よく、私たちはアクセス数がほとんどないウェブサイトを『砂漠に看板を立てるようなもの』という言い方をするのですが、せっかくいいウェブサイトがあったとしても、インターネットという広い砂漠の中で、そのサイトの情報を欲しがっている人に、サイトの存在そのものが知られなければ、意味が薄れてしまいますよね。砂漠の中の看板に例えれば、そこにうまく人が集まってくれるルートを作ってあげるというイメージかもしれません」

ーー砂漠の中の看板……なるほど。検索エンジンというと、つまりはGoogleっていうことですか?

名取「本来はGoogleに限った話ではないのですが、検索エンジンのシェアから考えて、Googleを意識した対策がかなりのボリュームを占めている、という認識でいいと思います。ちなみに、シェア2位のYahoo!もGoogleのエンジンを利用していて、GoogleとYahoo!のシェアを足すと、検索エンジンのシェアの90%を超えるんですよ。ここから考えると、SEO対策は、ほとんどGoogle対策と同義と言ってもいいかもしれません」

名取 雄介氏

ーーなるほど。私のやっている「検索で引っかかってほしいワードを文中に入れる」や「検索されることが多いと思われるワードをタイトルに入れる」って、SEO対策になっているのでしょうか。

名取「なっているかどうかで言うと、なっています。ただ、それはSEO対策の5%くらいにしか、満たないかもしれませんね」

ーー……5%?

名取「そうなんです。確かに、検索を意識したワード設定とか、タイトルなど、htmlの『h1』タグにあたる部分に強いワードを入れるという考え方は、SEO対策ですが、そこをどう判断したらいいか、つまり、何をもって『強いワード』と判断するか、そこも重要なんですよ」

ーー「このワードでいまみんな検索してそうだから、このワードだろう!」ではダメってことですよね。

櫻井「どんなワードで検索エンジンに引っかかって欲しいのか、を決めた上での対策が必要になるので、『このワードで引っかかって欲しいから、このワードを入れよう!』だと、対策としては不十分かもしれません。戦略的にワードを選ぶことが大事です」

SEO極を使うと、見えなかったものが見えるようになる

ーー戦略的にワードを選ぶ……ここから教えていただきたいのですが、その戦略はどうやって立てるんですか?

櫻井「私たちの提供している『SEO極』を使うと、Googleで月間にどのくらい、そのワードが検索されているかや、競合サイトの状況と比較して、そのワードで上位化(検索エンジンで上位に表示される状態にする)ができそうかどうか、サイトの構造が最適化されているか、といった部分が分析できますよ。戦略的なワード選びについての具体的なお話は、また次回のテーマにしましょう」

何回検索されているかがわかりやすく表示される(公式サイトより)

ーーえ? そんなことができるんですか? Googleで何回調べられてるとか?

名取「はい。そこが分かりますので、貝塚さんのお仕事で言うと、どのキーワードを使ってタイトルや文章を作ると、より多くの人にアプローチできるかが分かると思います。仕組みとしては、GoogleのAnalyticsとSearch Consoleからの情報に、私たちが検索上位サイトのビッグデータを解析したものを組み合わせて実現しています」

ーーそれってすごいなあ。ただ思うんですけど、記事って、読まれる(PVが多い)のも大事ですけど、文章として読みやすいのも大事なのかなと思っていて。つまり、ガチガチにSEO対策をした結果、文章として破綻してしまうってことはないんですか?

名取「そこは、意外と大丈夫なんですよ。でも皆さんが疑問に思う部分ですよね。実際、検索で引っかかりそうなワードが盛り込まれた、意味不明な長い文章が載っている謎のサイトとかもありますし(笑)」

キーワードを設定し、そのワードについて分析できる

そのワードでの上位化が狙えそうかも示してくれる

競合サイトの状況も分析してくれるため、対策が立てやすい

ーーそうそう(笑)あれに近づいていく作業にならないのかっていう疑問が湧きます。

名取「僕たちの考え方としての回答は、『SEO対策をした文章』と『日本語として美しい文章』の両立はできる、ですね。むしろ同じ! と言ってもいいです。両立しようとすることで、文章の組み立て方や考え方が変わるという部分はあると思います。でも、最近のGoogleは本当にすごくなっていて、意味がなかったり、薄いサイトは検索結果に出てきにくくなってたりするんですよね」

ーーそうなんですか! そういえば最近、謎のサイトをあまり見かけていないような……。

SEO対策=機械的じゃない。むしろユーザーフレンドリー

名取「すごく分かりやすい例で説明すると、貝塚さんが『パスタ 喫茶店』って調べる時って、何を知りたいですか?」

ーーパスタが食べられる喫茶店の場所とかですかね。

名取「そうですよね。じゃあ『パスタ 喫茶店風』って調べるときは、何を知りたいでしょう」

ーーその場合は、喫茶店で出てくるようなパスタを作ってみたい、と考えていると思いますね。

名取「実際にこのワードで検索してみると、Googleでは『パスタ 喫茶店』の場合にはお店の情報が、『パスタ 喫茶店風』だとレシピの情報が出てきますよね」

ーーそうなると思いますね。

名取「これは極端な例ですが、こういう風に、調べている人が何を知りたがっているかと読み取って、それに適した結果を出すということが、いまのGoogleなんですよ」

ーー慣れてて何も感じなかったけど、確かにすごいことしてる。

「喫茶店 パスタ」で検索すると、位置情報から、近所のパスタを提供する喫茶店が表示される

一方で、「喫茶店風 パスタ」で検索した場合は、大手レシピサイトなどの、喫茶店風のパスタのレシピが表示された

名取「Googleは、かなり賢く、ユーザーの意図を読み取ってくれているんですね。それはそれとして、検索した人が知りたがっている情報のうち、有益な情報がまとまっているサイト、しかも独自性のある情報が詳しくまとまっているサイトほど、上位に出てくるというのが、今のGoogleの傾向でもありますね。

 単語で調べると、『Wikipedia』が上位に出てくることが多いと思いますが、それはGoogleが総合的に判断した結果、Wikipediaが一番有益で詳しく情報がまとまっているケースが多い、ということでもあるんです」

ーーなんか、すごく興味が湧いてきました。じゃあ、私たちみたいなデジタルサイトに置き換えて考えてみると……「スマホ バッテリー 長持ち」で調べたときに、「ディスプレーを暗めにしましょう」くらいの一般的なことしか書いてないと、Googleには評価されにくいということですかね。

名取「極端に言えば、そうです」

ーーこの例で言えば、「普段の使い方はこうすると、日常的なバッテリーの消費が抑えられる。他にもこんな対策がある。バッテリーの寿命をできるだけ長くしたいという意味では、充電時はこういうことに気をつけていきましょう」の方が、有利ってことですよね?

名取「その例なら、前者は誰でも知っている一般的な知識ですけど、後者の方は、普段の使い方に加えて、長期的なバッテリーの扱い方までをフォローしていますよね。そうなると、より多くの人にとって有益ですし、自然と使うワードも多くなります。

 それらをどう文章に入れていくかという考え方は必要になりますが、結果的に、文章の有益性が上がって、Googleにも評価されやすい状態につながるんですよね」

ーーなるほど〜。しかし、それを分析できるソリューションを作るって、すごいなあ。南雲社長って、どんな人物なんですか。

櫻井 玲子氏

櫻井「厳しくもあり、優しくもある人ですよね。南雲社長は、失敗することに関しては、それほど怒らないんです。でも、どうして失敗したのかをちゃんと考えていなかったりすると、そこに対しては厳しいですね」

ーーそのお話は、すこしSEOを匂わせる感じがしますね。

櫻井「ディテイルクラウドクリエイティブという社名も、『神は細部に宿る』の『細部』を意識したみたいですね」

ーーなるほど! それでディテイル(detail)なんですね。

名取「細部にこだわることの大切さは、社長はいつも言っている気がしますね」

ーーなんとなく、SEOのおぼろげな考え方が飲み込めた気がします。ところで、どんな検索ワードを狙っていくかというのは、どうやって決めていけばいいんでしょうか。

〜次回に続く!〜

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