「Call of Duty: Black Ops Cold War」でDXRパフォーマンスを見る
ここから先はDXR(DirectX Raytracing)対応ゲームでDXRのパフォーマンスをチェックする。まずは「Call of Duty: Black Ops Cold War」を使用する。高解像度アセット導入済みの環境で、画質は最高設定としているが、スクリーンスペースリフレクションだけは“低”とした。DXRは全て一番重い設定とし、DLSSを使う場合は“バランス調整済み”とした。また、モーションブラーは無効としている。
検証はステージ“フラクチャー・ジョー”をプレイした時のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。
3DMarkのDirectX Raytracing feature testの結果からなんとなく読めた通り、RX 6800 XT→RX 6900 XTになってもRAの数は劇的に変わらないためDXRのパフォーマンスも余り向上していない。特にPC向けに調整されたレイトレーシング山盛り設定では、RX 6900 XTといえどまともにプレイするのは難しい。
今回の検証ではなぜかSAMを使わないRX 6900 XTの方がフレームレートが高くなってしまったが、Radeon特有の不具合(特に4K環境でテクスチャーが異様に粗くなる)が観測されたので、ドライバーの完成度にも問題があったのではないだろうか。
DLSS相当の機能が待たれる「Watch Dogs: Legion」
現行最重量級ゲームの一角を占める「Watch Dogs: Legion」では、APIはDirectX 12、画質“最大”にレイトレーシング“最大”を追加して検証した。DLSSが使える環境では“バランス”かつ精細度100%を指定。ゲーム内ベンチマーク機能を利用して測定している。
Watch Dogs: Legionだとレイトレーシング最高設定でもCall of Duty: Black Ops Cold Warほどの厳しさは感じない。フルHD時で平均50fps台なのであまり滑らかとはいえないが、レイトレーシングの設定を落とすことでなんとかプレイできるといった感じだ。Rageモードの効果がほぼ観測できないのは、前出のCall of Duty: Black Ops Cold Warと共通である。
比較対象となるRTX 3090 FEも4Kになると平均33fpsにまで落ち込むが、DLSSを利用することによって現実的なフレームレートでプレイできるようになる(しかもDLSSを使うことで潰れてしまうディテールも見えるようになる)。今のRadeonはDXRゲームを満足に遊べる状況にないが、開発中の「FidelityFX Super Resolution」が何らかのブレイクスルーをもたらしてくれることに期待したい。
この連載の記事
-
第442回
デジタル
ローエンドビデオカードの選択肢のひとつとなるか!? Radeon RX 6500 XTに8GB版が追加 -
第442回
自作PC
内蔵GPUを削除したRyzen 7 8700FとRyzen 5 8400Fに存在価値はあるのか? -
第441回
自作PC
いまどきのゲーミングPCでマザー側の映像出力に繋ぐのはあり/なし?古の禁忌に踏み込む -
第440回
自作PC
インテルCPUを安全に使える設定?「Intel Baseline Profile」のパフォーマンスを検証【暫定版】 -
第439回
自作PC
暴れ馬すぎる「Core i9-14900KS」、今すぐ使いたい人向けの設定を検証! -
第438回
デジタル
中国向け「Radeon RX 7900 GRE」が突如一般販売開始。その性能はWQHDゲーミングに新たな境地を拓く? -
第437回
自作PC
GeForce RTX 4080 SUPERは高負荷でこそ輝く?最新GeForce&Radeon15モデルとまとめて比較 -
第436回
デジタル
環境によってはGTX 1650に匹敵!?Ryzen 7 8700G&Ryzen 5 8600Gの実力は脅威 -
第435回
デジタル
VRAM 16GB実装でパワーアップできたか?Radeon RX 7600 XT 16GBの実力検証 -
第434回
自作PC
GeForce RTX 4070 Ti SUPERの実力を検証!RTX 4070 Tiと比べてどう変わる? -
第433回
自作PC
GeForce RTX 4070 SUPERの実力は?RTX 4070やRX 7800 XT等とゲームで比較 - この連載の一覧へ