●ワイヤレス充電の「スピード」にも期待
現在のiPhoneは7.5Wの速度でワイヤレス充電に対応しています。アップルはこれを「高速」としていますが、これは今まで付属してきた5W充電器に対して「高速」なわけで、一般的に高速とは言えません。
一方、2019年モデルのiPhone 11 ProにはUSB-Cポートを持つ18W充電器が付属しており、より早いスピードでの充電が可能でした。そういう点でも、7.5Wは高速ではない、とユーザー体験上は考えるほかありません。
そこで、今回の「ハイスピード」というキーワードへの期待として、ワイヤレス充電のスピードの改善があります。すでにQi 1.2では5Wのベースライン電力プロファイル(Baseline Power Profile)に加え、拡張電力プロファイル(Extended Power Profile)で15Wでの充電が規格化されており、充電器、端末共にサポートすることで、高速充電への対応が可能になるでしょう。
●シャッター「スピード」もある
ほかにもスピードにまつわる機能は存在します。たとえば、カメラ周りでいけば、オートフォーカスのスピードと、スローモーションのシャッタースピードがあります。
iPhone 6から、Focus Pixels(像面位相差AF)で、その正確性とスピードは十分ではありますが、ミラーレス一眼と超音波モーターを搭載したレンズの組み合わせのスピードと気持ちよさには及ばないのが実際のところ。オートフォーカスのスピード向上はそれなりの価値がある、と言えます。
もう1つのスローモーションに関して、現在は最大240fps(秒間240コマ)の撮影が可能ですが、現在はフルHD(1920×1080ピクセル)が最大で、4Kスローモーションの撮影は非対応。解像度の改善や、480fps、960fpsと、更なるコマ数の増加などは、たとえスローモーションを撮らないとしても、写真や通常のビデオ撮影にもメリットのある画像処理の高速化と言えます。
この辺りを司ることになるのは、5nmプロセスで製造されるA14 Bionic。すでにiPad Airに搭載が発表されており、A14にまつわる画像処理エンジンの向上で、暗所撮影が改善されることは認めているものの、アップルからさらなる写真やビデオに関する性能向上については触れられていません。
機械学習処理の性能も大きく向上しており、A14 BionicとiPhoneカメラの組み合わせによる新しい体験は、何か用意されているはずです。
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