今年は「5」が流行っているんだろうか。キヤノンが「EOS R5」を出したその1ヵ月後にはニコンの「Z 5」である。その次にはパナソニックから「S5」が発売されるわけで、なぜ「5」? と思ったりするわけだが、同じ「5」でも性格はけっこう違う。
EOS R5は高性能なハイエンド機なんだけど、ニコン Z 5はスタンダード機。Z 6や7の下位モデルだ。下位モデルなだけに、記録メディアもSDカード(デュアルスロット!)で安く済むし、価格もぐっと抑えられてる。ああ、これなら買えそう、と思っちゃう人がいっぱいいそうな価格だ。でも使ってみると安っぽさはないし、画質もさすが。
そして新しく発売されたレンズは薄くて軽いので携帯性も抜群だ。
その上、Zシリーズなので「猫瞳AF」搭載なのだ。猫瞳AF搭載と聞いては黙っていられない。よし行くぞ、ってんで「保護猫シェルターqueue」で猫撮影テストである。
今回使ったのは薄型ズームのキットレンズと、35mm F1.8という明るくてボケがきれいな単焦点レンズ。室内猫を撮るときはF1.4から1.8の単焦点レンズを用意するといいのだ。一発目はちょっと渋い写真から。
では猫瞳AFをチェックしよう。キャットタワーの小屋の中に起きてる猫がいたのでレンズを向けると、ピシッと瞳AF成功。
よしよしと思っていると、いきなりシャーッと威嚇された。見慣れないヤツだと思ったら、まだあまり人なれしてないらしい。これは怖がってるってことなので、「すまんすまん」ということでこれ以上近寄らないことにする。
猫瞳AFが仕事をしてくれると、遊びながら撮るときにうれしい。AF駆動をAF-Cにして、猫瞳AFをオンにすれば子猫があばれようがなんだろうが瞳にピントを合わせてくれるのだ。これ、上手に撮らないとわたしの手や猫の足にピントが来ちゃうケースだけど、それらがちゃんとボケて猫の顔がくっきりしてる。
ありがたや、である。なんて感じで猫と遊んで、いや撮ってたら、丸くて小さなカプセルのようなケージでナニカが動いた。その中に子猫がいたのだ。
カメラを向けたらぬっとカプセルから這い出してきた。猫瞳AF万歳の時間だ。こうやって動いてる猫を確実に撮れるってすばらしい。
そして上半身だけ出して伸びをした瞬間が冒頭写真。顔にぴしっとフォーカスがきてて伸びてる前足と残された身体がほどよくぼけてる。眠りから覚めたら動く前にまず「伸び」なのだ。
ちなみに隣の犬のぬいぐるみの鼻先がちょっとアレなことになってるのは、猫がかじったからだそうです。そしてカプセルが置いてあったケージの粗い網の上をとことこと(ときどき踏み外しそうになりつつ)歩いてやってきたのだった。
いやあ、猫瞳AFは偉大ですな。もう全ミラーレス一眼必須機能なってほしい。この子猫、めちゃアクティブで遊び回ってくれたのだが、今回はここで終わり。いきなり首から提げたZ 5を占領されちゃって撮るどころではなかったのである。
よほどこのカメラが気になったらしい。次回はZ 5を手に外へ行ってきます。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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