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スマホで制御するストロボ「プロフォト A1X」はフットワークを軽くする

2020年02月07日 12時00分更新

文● 栗原祥光 撮影●栗原祥光 編集●ASCII

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綺麗でありながら便利で快適なスマホ調光

 機材はキヤノンの「EOS R」に「RF24-105mm F4L」を取り付け、ストロボをそのまま上にポン付け。E-TTLモードで純正ストロボとの違いを見てみましたところ、光が強い印象だったので-0.5段ほど落として再度撮影。するとちょうどよい感じに。純正と比べてプロフォトの方が白が綺麗で、また光のなじみがよい印象を受けます。

ダンロップ DIREZZA GIRLS 2019の宮島マリーナさんをキヤノン純正ストロボで撮影

プロフォトA1Xで撮影。肌の色が明るくなったような印象を受ける

 さらに別売りの大型バウンサーにすると、影のグラデーションは柔らかくなります。純正ストロボに他社アクセサリーを取り付ければ同様の効果は得られますが、取り付ける簡易さでいえばプロフォトに分があります。

大型バウンサーを取り付けての撮影。顔の陰が柔らかくなったような印象を受ける

 ストロボをスタンドに設置。カメラにProfoto Connectを取り付けたオフカメラ撮影を実施することに。カメラとストロボの位置が離れた時にスマホでコントロールすると、直感的で相当便利。バッテリーの消費が多くなりますが、A1側でモデリングランプを連動させる設定にし、スマホで調光コントロールをすると、ファインダーを除いたまま指の動きで光の当たり方の変化がみられることに感動。デジカメによってはリアルタイムでヒストグラム表示もできるので、影の付き方だけではなく、光がオーバーかアンダーかといったところまでもチェックできます。

集合写真を撮影している様子。筆者の左側にストロボを立てた

 ワイヤレス・トランスミッターのProfoto Connectは小さいのでカメラに取り付けているという意識が少ないのはもちろんのこと、取り外してポケットにポンと入れても邪魔にならないという大きなメリットが生まれます。案外ワイヤレス・トランスミッターはかさばる上に、カメラを持った時のバランスが変わりますから、これはとてもうれしいところ。

画面右側から強い光が当たり顔に強い影が出ていたので、ストロボを左側斜め上から当て影を消してみた(モデル:日比ゆり)

 ワイヤレスで問題になるのは混信。オートサロンの初日は多くの媒体が取材をしているのですが、それゆえプロフォト使いが多く、チャンネル1~3あたりに設定すると予期せぬ場所でストロボが勝手に点灯することも。電波が300m飛ぶというのは伊達ではないことを知るとともに、チャンネルを変える必要に迫られました。

 従来のプロフォトのワイヤレス・トランスミッターのチャンネル数が8までであるのに対し、Profoto Connectは20チャンネルまでに大幅に拡大。ですから9チャンネルから20チャンネルに設定すれば、混信することはありませんでした。

オートサロンは様々な色のスポットライトが混ざり合い、撮影が難しい場所。上からの強い光で顔が暗くなったので、ストロボを強く炊きたいが、そうするとクルマのホイールが白く飛ぶ。ギリギリのところで調整し撮影した(モデル:宮瀬七海)

 調子よく使いだして気になったのは、移動中Profoto Connectのスイッチの位置に触れてしまいTTLからマニュアルに変わってしまうこと。TTLに補正をかけて、という使い方を望む方は、撮影前に確認した方がよいでしょう。逆にマニュアルモードから戻る、ということは一度もなかったので、筆者は次第にマニュアル調光で撮影するように。まずは5.0で1枚撮り、写真を見ながら光の量を増減調整するだけ。

カメラの真上あたりに左手でストロボを持って縦位置で撮影(モデル:織田真美那)

プロフォトA1Xだとゴールドを綺麗に出る。後ろのホイールの質感ももちろん綺麗に出ている。大型バウンスを用いて撮影(モデル:松田蘭)

 A1Xはフル発光で約450回までバッテリーが持ち、それでいながら最後までチャージ約1秒というハイレスポンスなので、気持ちよく撮影に専念できるのも美質です。いっぽう約450回という発光回数は人によっては少なく、コンビニで乾電池を買って入れ替えて使うということもできませんから、予備バッテリーはあらかじめ用意しておいた方が無難でしょう。ちなみに充電時間は最大115分かかります。

 Profoto Connectは本体側に表示はないため電池に不安を覚えるのですが、1日フルフルに使ってもバッテリーが足りない、ということはありませんでした。また電池が気になる時はスマホで確認。不安を感じたらスマホ用のモバイルバッテリーを使って充電できます。

【まとめ】スマホで幸せなカメラライフを送る時代

 スマホで光の量をコントロールするというオペレーションは、1灯の場合、手でやった方が圧倒的に早いです。ですがストロボをスタンドを置くなど遠隔操作になった際に、わざわざ行かなくてもカメラ位置からファインダーを見ながらモデリングランプを調整できる等の点で、スマホ調光はとても有用に感じました。また機材の軽量化にもつながり、疲れが減るというのも見逃せないメリットです。

会場で撮影中、偶然A1を持っている知り合いに遭遇。そこで自分のA1Xをモデル正面から、知り合いのA1をやや後方に設置しワイアレス2灯で撮影。画面右側のモデルの髪にヘアライトが出ていると思う(モデル:中村比菜)

 イマドキのデジカメは、撮影後にスマホ転送できる機能がついていますし、カメラそのものもコントロールできる時代。ストロボだけが遅れていた、といえるでしょう。カメラとスマホ、そしてストロボが連動すると、色々画面で確認しながら、あれこれと撮影方法を試してみたくなってきます。

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