UWPではなくWin32アプリケーションになった新Edge
世間からはあまり注目されていないが、新Edgeの最も大きな変更点は、UWPからWin32アプリケーション(デスクトップアプリ)になったことだ。後述するIEモードも、Win32アプリケーションになったからこそ実現できた機能だ。
Windows 10を開始したとき、マイクロソフトはUWPで世界を席巻する“夢”を見ていた。UWPとしてアプリを開発したら、iOSでもAndroidでもLinuxでも動作するから、世界中の開発者がみんなUWPでソフトを作ると“夢想”していた。
しかし実際には、UWPは「劣化したWin32アプリケーション」でしかなかった。UWPで大抵のことはできたが、Win32でできてUWPではできないことが結構あった(今もまだある)。そもそも、その前にWindows 8で提案したWinRTベースのアプリケーションがあまりにウケが悪く、UWPになったからといって、乗り換える開発者も多くなかった。また多くの開発者は、iOSやAndroid、あるいはLinuxに行ってしまい、UWPで一儲けと考える人間はそれほど多くなかった。
Win32アプリケーションになったということは、DLLインジェクションなどの従来の手法が使える可能性がある。これでEdgeも便利になるのかと思ったが、ChromeがWin32なので、わざわざEdgeでやる必然性はないのかもしれない。
コマンドラインからの起動は、UWP版でも「アプリ実行エイリアス」で可能だった。新Edge正式版を導入すると、それまで、「設定アプリ」→「アプリ」→「アプリと機能」→「アプリ実行エイリアス」にあった「MicrosoftEdge.exe」がなくなってしまう。
なお、新Edgeは、
C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\msedge.exe
と、実行ファイル名が「msedge.exe」になっているので混同することはない。新Edgeのベータ版/開発版は、それぞれインストールパスが正式版と違うが、実行ファイル名はおなじmsedge.exeなので注意されたい。
Microsoftのサイトなどで確認できる公式情報では、起動オプションは、プロファイルを指定する「--User-Data-Dir=プロファイルのパス」と開発版のデバッグ用コマンドぐらいしかない。もちろん、オプションなしでURLを引数とすれば、そのURLを開いてくれる。
新Edgeのアドレスバーで「edge://version」とすると、表示される情報の中にデフォルトのコマンドラインオプションがある。以下のようなオプションが指定可能なようだ。
--flag-switches-begin
--flag-switches-end
--enable-audio-service-sandbox
--do-not-de-elevate
--internet-explorer-integration=iemode
--enable-features=msEdgeCollectionsUIFlag
ただし、意味ははっきりしない。「--enable-features=……」は、「edge://flags」のページで有効にしたフラグのようである。
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