2020年春に公開予定のWindows 10 Ver.2003となる20H1のプレビューが開始された。次のWindows 10のバージョンアップである19H1(May 2019 Update)は、5月末の公開が予定されていて、現在Release Preview Ringでプレビュー中だ。
しかし、Windows Insider ProgramでFast Ringでのプレビューを適用していたマシンは、すでに20H1へ移行された。Fast Ringのプレビューは今秋公開予定の19H2ではなく、すでに来春の20H1なのである。
こうした状況からわかるのは、Windows 10の春と秋のバージョンアップの「プレビュー期間」に違いが生じていることだ。秋のアップデートのプレビュー期間は短くなり、春のアップデートでは長くなる。これは、Windows 10のバージョンアップに変化が生じていることを意味する。
Windows 10のバージョンアップとプレビューの周期を確認
これまでWindows 10は、年に2回のバージョンアップが実施されてきた。「機能アップデート(Feature Update)」がWindows Update経由で配布され、これによりWindows 10のバージョンが上がる。また、それぞれのバージョンアップに対して、プレビュー版が提供される。
プレビュー版には大きく2つあり、直近のバージョンアップのプレビューとなる「Fast Ring」「Slow Ring」「Release Preview Ring」(それぞれ完成度などが異なる)と、さらにその次のバージョンのプレビューとなる「Skip Ahead Ring」である。
プレビュー版は、通常Skip Aheadで配布が始まる。この時点ではその1つ前のバージョンは一般公開されておらず、FastまたはSlow Ringのどちらかの状態にあるのが通例だった。1つ前のバージョンがほぼ完成してRelease Preview Ringでの配布が始まる頃、Skip Ahead Ringは一旦閉ざされ、Fast Ringへと移行する。
プレビューは大部分の期間、Fast Ringに留まる。そこからSlow Ringでの公開が始まるのは、かなり安定してきてからである。そして一般公開直前に、Release Preview Ringでの配布も開始されるわけだ。
従来は、各バージョンアップのプレビュー期間は半年以上あった。これは、Skip Aheadでプレビュー開始時期を早めることができたからである。また、マイクロソフトは、Ver.1809(RS5)の初期トラブル(Known Folderによるファイルの喪失)のような問題の対策として、Release Previewでのプレビュー期間を延長し、リリース開始までの時間を長くすることを発表している。
●Windows 10 の更新エクスペリエンスの制御性、品質、透明性の向上 - Windows Blog for Japan
https://blogs.windows.com/japan/2019/04/12/improving-the-windows-10-update-experience-with-control-quality-and-transparency/#UYviExr7kopFTMqt.97
ところが、現在の状況を見ると、19H1の配布開始が5月末に迫り、20H1のプレビューは開始されているのに19H2のプレビューが開始されていないのだ。現時点の状態を整理すると、以下の表となる。
原稿執筆時点で19H1でFast Ringを選択していたマシンは、20H1のプレビューが導入されはじめた。これに対して今秋に配布予定の19H2(Ver.1909)は、まだプレビューが開始されておらず、それが19H1の配布開始後なのだとすると、プレビュー期間は5ヵ月程度に短縮されてしまう。
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