デュアルカメラの画質は満足必至
背面にはデュアルカメラを搭載。F値1.7のレンズを備えた1200万画素カメラと、F値2.2のレンズの500万画素カメラの組み合わせ。通常の撮影では1200万画素カメラだけが使われて、背景ぼかしなど深度の情報が必要となる際に、500万画素カメラを併用する仕組みになっている。
撮影画質だが、屋外はもちろん屋内でも、結構明るく撮れる。色味も比較的ナチュラルな印象だ。F1.7のレンズの恩恵か、夜景撮影においても、さほどノイズは気にならなかった。約4万円のスマホで、ここまで撮れたら及第点ではないか。
※作例はすべて原寸で掲載しています。データ通信量にご注意ください。
背景をぼかしたいときは、撮影モードを「ポートレート」を選択すると、深度を有効化して撮影できる。好みのボケ味で撮影でき、撮影後にピントを合わせる位置を変えたり、ぼかしの度合いを調整したりもできる。
ほかに、画像内のタップした色だけを残こし、他の部分はモノクロにする「スポットカラー」、手前にある被写体を切り抜いて、ほかの背景に合成できる「カットアウト」という機能も楽しめる。
インカメラはレンズがF2.2で、センサーは1600万画素。さらにLEDフラッシュも備えている。自撮りを楽しむには十分なスペックだ。といっても、筆者は自撮りをする機会はほとんどなので、部下の女性スタッフに試してもらった。「フェイスビューティー」という美肌補正機能があり、自動でも手動でも設定できるのだが、「やりすぎない、ほどよい補正」とのことで好評だった。
モトローラのスマホは、従来からシャッター音をオフにできることが隠れた利点だった。このmoto g6 plusも音を鳴らさずにシャッターが切れるので、ペットの自然な表情を撮りたいときや、静かなレストランで料理を撮りたいときなど、便利に感じる場面は多いだろう。
日常使いには不便のないパフォーマンスを実感
moto g6 plusはAndroid 8.0を搭載し、CPUはSnapdragon 630(2.2GHz×8コア)、メモリーは4GB、内蔵ストレージは64GBという構成。実際の使用感としては、動作はキビキビとしていて、タッチパネルの反応もよかった。動作を検証するために、ゲームや動画など、負荷がかかりそうなアプリを複数立ち上げてみたりもしたが、ストレスを感じることはなかった。4GBのメモリーが効いている印象だ。
スマホの性能を数値化して比較するために用いられることが多い「AnTuTu Benchmark」アプリで、ベンチマークを測定した結果、約9万点というスコアだった。ミドルハイのSnapdragon 630を搭載する機種としては上々の結果だといえる。
また、バッテリーは3200mAhで、2週間ほど使っているが、1日で電池残量がピンチになることはなかったので、電池持ちはまずまずではないかと思う。
「Motoエクスペリエンス」が全部入り!
モトローラのスマホの特徴として、シンプルな操作性も挙げられる。Googleが自社ブランド端末に採用する、ベーシックなAndroidをそのまま採用しており、プリインストールされているアプリもAndroid標準のものだけだ。なので、Androidスマホを使ったことがある人なら、違和感なく使えるはずだし、初めて使う人にもわかりやすいのではないかと思う。
ただし、メーカー独自の機能も追加されている。それが「Motoエクスペリエンス」という機能だ。たとえば、本体を2回振ると背面のライトを点灯でき、再び2回振ると消せる。本体を持って手首を2回ひねるように動かすとカメラを起動でき、さらに2回ひねるとインカメラに切り替わる。こうした従来から認識の機能に加えて、画面を3本の指で長押ししてスクリーンショットが撮れる機能など、すべてのMotoエクスペリエンスに対応している。
なお、ディスプレーの下の指紋センサーは、そこにナビゲーションキー(戻る/ホーム/履歴)の機能を割り当てることもできる。「ワンボタンナビ」という機能で、これをオンにした場合は、画面内の「◁ ○ □」の表示が消えて、画面をより広く使える仕組みだ。慣れが必要だが、使いこなせたら、操作をスピードアップできそうだ。とくに、片手で操作することが多い人は重宝するだろう。
ほかに、顔認証に対応していることも魅力。平面での認識なので、セキュリティーの精度は指紋に劣るが、手軽さとアンロックの速さでは顔認証に軍配が上がる。
【まとめ】価格と操作性を重視する人に!
moto g6 plusは、縦長ディスプレーとデュアルカメラを搭載し、トレンドを踏まえたモデルだ。使い勝手にもこれといった欠点は見当たらず、一般的なユーザーであれば、ディスプレーの画質、カメラの撮影画質にも満足できるだろう。
しかし、カメラの性能や画質を追求するなら、ほかのメーカーも含めて上位モデルも検討するのが得策だ。最近のハイエンドモデルは、夜景が驚くほどキレイに撮れたり、インカメラで自撮りしたときに背景を美しくぼかしたりできる機種もある。あとで後悔しない為にも、気になるモデルには触れておくべきだ。
moto g6 plusの最大の利点は、やはりコスパだ。3〜4万円台クラスとしては、トップクラスの性能を備え、使い勝手もいい。デザインにも飽きが来ないのではないかと思う。
「モトローラ」と聞くと、世代によっては “ガジェット好きのためのブランド” というイメージがあるかもしれない。そんな人は、このmoto g6 plusがモトローラ製であることを一旦忘れて、実機に触れてみてほしい。「もしこの端末が他メーカー製だったとしたら?」とイメージしたら、コスパの高さをより実感できるかもしれない。また「モトローラのスマホって、シンプルで使いやすいんだ」という発見があるかもしれない。
最後に、蛇足になるかもしれないが、「スペックがちょっと低くても、より安いモデルがいい」という人にはmoto G6がオススメだ。
モトローラ「moto g6 plus」の主なスペック | |
---|---|
ディスプレー | 5.93型液晶(18:9) |
画面解像度 | 1080×2160ドット |
サイズ | 75.5×159.9×8.1mm |
重量 | 165g |
CPU | Snapdragon 630 2.2GHz(オクタコア) |
内蔵メモリー | 4GB |
内蔵ストレージ | 64GB |
外部ストレージ | microSDXC(最大128GB) |
OS | Android 8.0 |
対応バンド | LTE:1/2/3/5/7/8/18/19/26/28/38/40/41 W-CDMA:1/2/5/6/8/19 |
DSDS(4G+3G) | ○ |
VoLTE | ○(ドコモ、au、SB) |
無線LAN | IEEE802.11ac(2.4/5GHz対応) |
カメラ画素数 | リア12メガ(RGB)+5メガ(モノクロ) /イン16メガ |
バッテリー容量 | 3200mAh |
防水/防塵 | ×/× |
指紋センサー | ○ |
SIM形状 | nanoSIM×2 |
USB端子 | Type-C |
カラバリ | ディープインディゴ |
価格(税抜) | 3万8800円 |
この連載の記事
-
第486回
スマホ
折りたたみなのに薄い! 高性能で薄型軽量ボディーのvivo「X Fold Pro」 -
第485回
スマホ
デザイン優秀でおサイフ対応の「Nothing Phone(2a)」が5万円以下なのは間違いなく買い! -
第484回
スマホ
ハイネケンがSNS不可な世界一退屈なケータイを発売! デジタルデトックスに最適だ! -
第483回
スマホ
カメラスマホ「nubia Z60 Ultra」は35mmカメラで歪まず撮影が楽しい -
第482回
スマホ
6万4000円の低価格折りたたみスマホ「Blackview Hero 10」は普段使いなら問題ナシで使いやすい -
第481回
スマホ
「ROG Phone 8 Pro」は性能が良いにもほどがある! 日常使いもゲーミング機能も超充実 -
第480回
スマホ
強力なAI機能を備える「Pixel 8a」、1万円の値上がりもコスパは健在 -
第479回
スマホ
祝日本上陸! ライカカメラ搭載「Xiaomi 14 Ultra」ならエモい写真が撮り放題だ -
第478回
スマホ
「Zenfone 11 Ultra」は大型化路線! それは多くのニーズを満たすスマホへの進化 -
第477回
スマホ
ゲーミングスマホの領域を超えた! カメラ性能も大幅強化のASUS「ROG Phone 8」 海外版を一足先にチェック! -
第476回
スマホ
ライカカメラらしい撮影がさらに磨かれた! 「LEITZ PHONE」が3になって再び登場 - この連載の一覧へ