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8限目:「キャッチコピー」の 「ピラミッド」から脱出せよ (1/2)

2016年06月10日 11時00分更新

文●森田哲生/Rockaku

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イラスト:寺井麻美

「キャッチコピーを書く」という迷路」

大変ご無沙汰しております。7限目で消滅した・・・・・・と思っていた方も多いかもしれませんし、そもそも、この連載の存在を知らないという方もいらっしゃると思いますが、前回の掲載から約半年間、実は書籍化の準備を淡々と進めておりまして、ついに、来る6月17日、発売されることになりました。

・・・・・・という、宣伝の意味と、これまでの連載をご愛読くださっていた皆さんへの感謝も込めつつ、書籍用に書き下ろした新しい「授業」を、こちらの連載でも少しだけやってみたいなということで、連載再開と相成りました。書籍に関する詳細は、この授業の最後に掲載してますので、よかったらチェックしてくださいね。

今回は「キャッチコピー」の授業を行ないます。はい。「キャッチコピー」といえば、コピーライティングの花形(と思われがちな分野)。「書かなきゃいけない人」であるみなさんにとって、もっとも気になる内容かもしれませんね。

「キャッチコピーを書く」。この仕事の中には、本当に奥が深い世界が広がっています。また、これまで、キャッチコピーの書き方を指南する数多くのメソッドや書物も世に出ていますよね。にもかかわらず、明確な正解をつかむことは僕らプロでも本当に困難。案件のたびに頭をひねり、言葉を尽くして書いています。正直、この授業をするにあたって、「書かなきゃいけない人」に向けて、どんなお話をするべきか非常に悩みました。そして迷いました。あっちへ行っては行き止まり。こっちへ行っては落とし穴……そうです。キャッチコピーは迷路。さながら侵入者を拒む王家の墓、ピラミッドみたいなものかもしれません。

……はっ! ピラミッド! そうか! キャッチコピーってピラミッドなんだ!!!

と、まあ、茶番はこのくらいにしましょうかね。そうです。キャッチコピーを書く仕事ってピラミッドみたいなんです。「たったワンフレーズで売上がアップする」「商品のイメージが飛躍的に変わる」「PV 数が劇的に伸びる」といった、金銀財宝みたいな効果を求めてなんの準備もなく制作に踏み込むと、あっという間に「全然書けない」「なにが響くかわからない」と、迷路に迷い込んで、気がつけばなんのアイデアも出ないまま、効果が上がらず、かつ、原因も判然とせず、上司には怒られて、げっそりとミイラみたいな状態になってしまいます。

ああ、苦笑いしている人、けっこういますね。包帯でぐるぐる巻きにされたような顔(どんなだ?)している人もちらほらいます。安心してください。この授業が終わるころには、きっと、脱出の糸口くらいはつかめているはずですから。

「とりあえず書いてしまう」という罠

なぜこんなことが起きてしまうかといえば、一般的に「キャッチコピー=極めて短い言葉である」という認識が強いからでしょう。短いから書ける気がして、とりあえず書き始めてしまうんです。でも、これが非常に恐ろしい罠になります。書ける気がしている人の多くは、なにをどう書くべきかを設定しないまま、インパクトがあったり、ユニークだったり、話題になりそうなキャッチコピーっぽいフレーズを書こうとしてしまう。もう、この時点で「ミイラコース」がほぼ確定してしまいます。

ピラミッド攻略に必要な地図

そもそも、「キャッチコピー」という言葉がざっくりしすぎてるんですよね。「キャッチコピー」という言葉を聞いたら、どんなコピーを思い出しますか?

「そうだ 京都、行こう。」はい。確かに名作コピーです。「ぜんぶ雪のせいだ。」も話題になりましたね。「四十才は二度目のハタチ。」……往年の傑作コピーですね。「でっかいどお。北海道」……ある意味、ダジャレ的なコピーの走りになった殿堂入り級コピーといえます。

でも、みなさんがいま、担当しているサイトやページで書かなきゃいけないキャッチコピーって、本当にこういう名作・傑作と同じ「キャッチコピー」といえるでしょうか。おそらく「それはなにか違う気はする……」と思った人が多いと思います。でも、「なにが違うか」を説明できる人は、そんなに多くないのではないでしょうか。

そうです。「キャッチコピー」というと、こうしたあまりにも有名な作品がたくさんあるせいで、一緒くたにされがちですが、実はかなり細かな「分類」が必要になるんです。この「分類」こそが、ピラミッドから生還するための「地図」。まずはこの、ピラミッドの「地図」をみなさんと共有したいと思います。

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