罫線は希少な職人さんが手作業で引く
でき上がってきた商品の外形寸法は縦138×横80mm(筆記頁は133×75mm)と片手で持つベストサイズ。身近なものでは各社の5~6インチクラスのスマートフォンやブラウンの電卓とほぼ同じ大きさだ。片手でスマホと一緒に持つこともでき、スーツやジーンズのポケットにも楽々入る。
本文には伝統的、かつ高品位で、目に優しいクリーム系のフールス紙を使用した。そして大きな特徴である方眼紙の頁は通常のオフセット印刷ではなく、日本にたった一人しかいない希少な“罫引き職人”が特殊な形状の“丸ペン”を多数並べた特殊な“罫引き機”を用い、精密な罫引き作業を行なっている。
大きな裁断前のフールス紙を使って、最初にX方向(横軸)に罫線を引き、次に90度回転させて、今度はY方向(縦軸)に引き、両方引き終わるとやっと5mm方眼紙が完成する。
方眼の罫線には2008年の初代のノート以来使っているThinking Power Notebook専用に調合した薄青の水性インク「Thinking Blue」を使用している。
縦横2回の罫引きから乾燥まで、希少な職人の時間と手間をかけて丁寧に行なっている。水性のThinking Blueインクは、一般的なオフセット印刷に使われる油性インクとはまったく異なり、紙面に万年筆インキなどで筆記した文字や図版も、罫線の油成分にはじかれることなく、思い通りの心地よい筆記が可能となっている。
![8分冊に分けて作られるツバメ・ダ・ビンチ手帖の本文(内容ページ部分) 8分冊に分けて作られるツバメ・ダ・ビンチ手帖の本文(内容ページ部分)](/img/2016/06/08/1060766/l/c58b08768bcd031e.jpg)
8分冊に分けて作られるツバメ・ダ・ビンチ手帖の本文(内容ページ部分)
製本に関しても専門の製本職人が、手間をかけて8冊の山(分冊頁)に分けて別々に縫合し、最終的にそれら8冊の分冊をまとまった一つの本のように組み上げ製本している丁寧さだ。
そのため、ツバメ・ダ・ビンチ手帖は強度を確保した上で、本文のどこでも完璧に水平に開くことができ、自由に開いた左右の紙面のどこにでも、ごく自然に定規で線を引いたり、描き込むことができるのだ。
革職人が手作業で一枚一枚裁断してつくる表紙
![どこでも水平にページが開き、定規で2ページにまたがった線も引ける。主張しない自然なカラムシのしおりもすべて職人の手作業でできている どこでも水平にページが開き、定規で2ページにまたがった線も引ける。主張しない自然なカラムシのしおりもすべて職人の手作業でできている](/img/2016/06/08/1060767/l/a48911cc6aacd883.jpg)
どこでも水平にページが開き、定規で2ページにまたがった線も引ける。主張しない自然なカラムシのしおりもすべて職人の手作業でできている
ツバメ・ダ・ビンチ手帖の雰囲気を壊さないように、しおりとして高級な麻の原料となる新潟県産の「苧麻」(カラムシ)を使用している。
カラムシのしおりは、水に浸したり乾燥させたりと、時間と手間をかけて手作業で紙縒りとして編んだものを使用している。極めてナチュラルで強靭、長寿命のカラムシのしおりはツバメ ダ・ヴィンチ手帖にはピッタリの仕上がりとなっている。
手作りによる高品位と使いやすさに加えて、ツバメ・ダ・ヴィンチ手帖は、手帖の開け閉め時の強度保全のため、見返しや背巻きの取り付けにも十分配慮されている。
本文の紙面はページをめくる時の指先にも優しい角丸断裁処理を行ない、すべて一冊一冊、製本職人が極めて丁寧に作り上げ検査したものだ。
特徴ある外観を決定づけるツバメ・ダ・ヴィンチ手帖の革表紙は、使えば使うほど、柔らかくエイジング効果の現れる大理石模様をしている。数多くの革の中から選んだごく少量の貴重な革である「リップル」を採用している。そして同じものは2つとない。
リップルは専門の革職人が手作業で一枚一枚裁断し、革が十分に柔らかく、かつ表紙として十分な強度を保てる薄さまで手作業で加工する。表紙となる表面全体や淵のヘリ返しの厚さをマイクロメーターで計りながら、薄く漉く作業を繰り返して丁寧に作っている。
そして、手帖の表紙や裏表紙をめくると、上下の2ヵ所のコーナーに角丸形状をしたアールのきざみがあり、ヘリ返しの革を細かく刻むような細かな処理も革職人が一冊一冊、最適な工具を使って丁寧に手作業で仕上げているのだ。
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