実際にKB文書を検索してみる
KB文書はあまりに膨大なため、これを直接ブラウズすることはできず、原則検索機能を使って捜すようになっている。検索は、マイクロソフトのサポートサイトから行なう。また、基本的には、マイクロソフト製品に関する情報なので、すべてのKB文書は対象製品が決まっているといってもいい。
ちなみにIEでアクセスした場合は、動作しているWindowsのバージョンを検出できるため、KBのページを開いたときに、情報が現在利用しているWindowsに関係があるかどうかを表示することもできる。
検索結果には、サポートからの情報以外にマイクロソフトの運営するユーザー情報交換サイトなどの情報も含まれる。KB文書は、必ず「support.microsoft.com」というURLを持つため、検索結果のうち、他のURLを持つもの(たとえばsocial.technet.microsoft.comやwww.microsoft.comなど)とは原則、区別したほうがいいだろう。
関連情報は、KB文書ではないが、テックネットのフォーラム(social.technet.microsoft.com)では、一連のやりとりの中でKB文書を紹介しているものもある。検索結果で大量の文書が見つかる場合、上位にある関連情報にも目を通して置いた方がいい場合もある。
KB文書自体は、英語の文書があるために検索語は英語でも日本語でもいいのだが、関連情報には、日本語表記のみ、英語表記のみのページがあるため、検索結果には違いが出る。つづりがわかるなら原則英語で入力(たとえば、Printerなど)として、日本語固有の問題が関係するようなら、日本語のキーワード(同プリンタ)を使って見るといいだろう。
また、検索機能は、スペースで区切られた単語をOR検索するため、複数の語からなる検索文字列では、無関係な結果が入る可能性がある。KBの検索では、その対策として「kb」で始まる「キーワード」を定義しており、これを使うことで、特定の製品や機能などを指定することが可能だ。最新状態のキーワードのリストはないが、KB文書に、このキーワードに関してのものがあるため、これを参考にするといいだろう(「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) の検索方法に関するヒント)。
support.microsoft.comでの検索では、kbで始まるキーワードを使うと、KB文書を検索できるが、単なる技術名などを入れた場合では、検索結果が違う。たとえば「DirectDraw」と入力した場合と「kbDirectDraw」では結果が違っている。さらにいえば「Direct Draw」でも結果は違う。
一般的には、技術そのものについて知りたい場合には製品名や技術名そのままでもかまわないが、KB文書を検索するならば、なるべくkbから始まるキーワードを使ったほうがいいだろう。とはいえ、新たな製品や技術が登場するたびにキーワードは増えていき、必ずしも前記のURLに挙げてあるキーワードのみがすべてというわけでもない。なので場合によっては自力でキーワードを見つける必要がある。
KB文書には、基本的なパターンがあり、冒頭には、文書の「概要」(英語ではSummary)があり、その後から本文が始まる。また、最後には、必ず、「関連情報」(同References)や「プロパティ」(同Properties)がある。
このプロパティのなかに「キーワード」(同Keywords:)がある。ここにkbから始まるキーワードなどがある。基本的にマイクロソフトで定義したキーワードは必ず書いてあるため、まずは、スペースを含む検索文字列のまま検索を行ない、比較的近い内容や、バージョンなどが違う製品向けの文書を探し、そのプロパティからキーワードを拾う。このようにすることで、最近の製品、技術に関連するキーワードを見つけることが可能だ。なお、キーワードは、言語に関係なくすべてアルファベット表記となる。
前述のようにKB文書には、原文以外に人出で翻訳されたものと自動翻訳(機械翻訳)のものがある。どれが表示されるのかは、検索方法(いわゆるインターネット検索でもKB文書の検索が可能)やユーザーの言語設定に依存する。
表示が日本語になっていない場合、強制的に日本語翻訳させることも可能だ。それには、該当のKB文書を表示させて、ページの一番下の左側にある地球アイコンで、日本語に切り替えるか、ページのURLのロケール(en-usやja-jpなど)の部分を書き換える。
英語の場合、KB文書のURLは、基本的に
https://support.microsoft.com/en-us/kb/【番号】
となっているはずなので、「en-us」の部分を「ja-jp」に書き換えてページを開き直してみる。これで自動翻訳が強制的に行われるはずだ。URLの最後の部分を「~/kb/番号」または「/?kbid=番号」とすれば特定のKB文書を直接開くことができる。
KB文書には、現象の再現方法や詳細、対策などが記載されているため、ここで情報を得られると、早期に問題を解決しやすい。特にWindows 8以前の長期間利用されてきたバージョンほど文書の蓄積数が多い。また、一般的なインターネットのページと違い、登録されている文書が一定以上の水準で作られており、利用できるかどうかを判断しやすい。とりあえず、Windows関連で何か問題を感じたら、KB文書を探してみるといいだろう。
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