OS自体はWindows 10ベースになったが
パソコンと同じOSでのユーザー側のメリットはまだ
ざっと見た感じ、ユーザーから見た違いは、今回のアップデートはXbox Shellの部分に集中している。また、UWPアプリもTH2になり動作することは論理的に可能になったが、Xbox Oneには、Xboxストアしかなく、ここでの非ゲームアプリの配布は限定的だ。
標準添付では、音楽アプリが「Groove Music」になり、動画アプリが「Movies&TV」と、Windows 10と同名のアプリに切り替わったが、画面表示などに違いがあり、中身的には、従来のXbox OSに付属していたXbox Music、Xbox Videoのマイナーチェンジ版という感じだ。このほか、SkypeやOneDriveアプリが提供されている。
また標準のウェブブラウザがEdgeとなったが、これも、画面構成などがPC版とは違う。たとえば、ウェブノートや読み取りビューといった機能がなく、閲覧中は、ツールバーもアドレスバーもタブも表示されない。
アドレスバーはコントローラーのボタンを使って画面下部に表示できる。
こうした動作の感じは、どちらかというとWindows 8のモダン環境でのIEの動作に近い。ただし、ブラウザのユーザーエージェントヘッダを見ると、PCのTH2に付属するEdgeと同じく「Edge/13.10586」という記述があり、エンジン部分はEdgeと同じものと思われる。
Windows10には、Xbox Oneの画面をネットワーク経由で受け取り表示する「ストリーミング」機能がある。これは、Windows 10標準のXboxアプリで行う。
ストリーミングを開始すると、Xbox Oneの画面がそのまま表示され、Xbox OneのコントローラーをUSB接続して操作することができる。基本的に操作は、USB接続したXbox Oneコントローラーからのみ行ない、マウスやタッチでは操作できない。
唯一、Xbox側がテキスト入力になったときのみ、専用のテキスト入力ダイアログが表示され、PC側のキーボードから入力が可能だ(これを回避してXbox One同様コントローラーを使ってソフトキーボードから入力することも可能)。コントローラーを接続するのが面倒だが、逆に、タッチやマウスでのXboxアプリのウィンドウ移動などでは、XboxOne側になんの影響も与えず、ウィンドウを動かしたらゲームが勝手に再開するといったことにはならない。
このXboxアプリもTH2のリリース後、アップデートが行なわれており、FacebookからXbox Liveの友達を探す機能や、Xboxストアへのアクセス機能などが追加された(従来はWindowsのアプリなので、Windowsストアにのみアクセス可能だった)。
なお、原稿執筆時点でWindowsストアには、Xbox(ベータ)というアプリも登録されているが、すでに標準のXboxアプリのほうがバージョン番号が大きくなっており、ベータ版の機能が正式版に取り込まれているようだ。このため機能的には、フィードバックアイコンの有無程度しか違いがない。なお、今回の記事では、このXboxアプリを使ってXbox Oneの画面をPC側に表示させて画面キャプチャを行なった。
Xbox OneのWindows 10へのアップグレードは、内部的なものが大きく、逆に見た目は、Xbox One画面やXbox Shellのリニューアル程度でしかない。WindowsストアにあるUWPアプリもいまのところ利用できず、「Xbox OneがWindows10になった」という印象はそれほど大きくない。もっとも、マイクロソフト的には、ソースコードや開発リソースの共有など、メリットはあるのだろう。
なお、コルタナに関しては、プレビュー版に組み込まれていたようだが、現在のバージョンでは有効になっておらず、年内に利用可能になる予定だという。残念ながら、今回のアップグレードは、とりあえず、XBox OneのOSがWindows10 TH2ベースになった“だけ”の状態だといえる。
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