さてさて、今年の新型デジカメで夏の猫を撮るシリーズ(シリーズだったらしい)第3弾は、富士フイルムの「X-T10」(ボディーのみの実売価格9万3000円前後)。
中央のファインダー部がぴょこんと飛び出た往年の一眼レフっぽいスタイルで登場した富士フイルムの主力モデル「X-T1」の弟分で、弟分だから性能的には兄貴分に負けるし防塵防滴仕様ではないけれども、安くて小さくて軽い!
で、さっそくこれを持って日帰りの旅に出たのである。猫がいるアテがあるわけじゃなかったけど、まあ猫なんてどこにでもいるもんさ、ということで、横須賀の南にある久里浜から船に乗って対岸の浜金谷へ。
考えてみたら、神奈川から千葉へ行っただけなのだが、船で海を渡るというだけで旅気分を味わえるというなかなかお勧めのコースだ。
港についたらロープウェイで鋸山へ登るべく、歩く。でも炎天下、車がびゅんびゅん走る道路は避け、少し遠回りだけど1本奥の旧道を選ぶ。それが大事。旧家、古い商店、崩れかけた塀、用水路、そんなものが楽しいのである。そして10mほど先を猫がつつつと横切る。
猫が行った先には駐車場が。ということは日陰を探してどこかの車の下に入り込んでるに違いない。あ、いたいた。
と近寄ってしゃがんでモニターを開いて撮ろうとしたら「こっちくんな」という顔でニラまれてしまった。すまんすまん。
さらに進むと、今度は玄関前に集まった猫が夏バテってる。
立ち止まり、炎天下でカメラを向けてたら近所のおばあさんが通りがかって「飼ってるわけじゃないんだけど、いつもここにくるから……子供もうまれちゃったんです」という。
こうやって近所の人と少しでも会話できるととても助かる。他人の家の前でしゃがんでカメラを向けているのだから、とても不審なのである。猫を撮ってるとわかるとだいたい話はそこで丸くおさまるのだ。
そうこうしてるうち、見知らぬ人をこわがった子猫1匹はエアコン室外機と壁の隙間に逃げ込み、そこは暑かろうと思うのだが、ものすごく狭いところで丸くなってしまった。
なんともたまらん光景である。
(次ページに続く、「山頂でも猫がお出迎え!」
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