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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第406回

パナのハイエンドデジカメ「FZ1000」で撮る初夏の猫

2015年05月15日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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ちょこんと座る猫の前に屈強な男たちが……

 出会えたからよしとしようと、観光客から離れて住宅街に出る。観光地から路地裏へ。

 と、ちょこんと座ってるヤツがいる。

 よしよし、撮ってやろうと思ったら、パイプやら何やら資材を抱えた屈強(というほどでもないけど)な男たちがぞろぞろと狭い路地を歩いてきた。あちゃ、これは猫が驚いて隠れてしまうんじゃないか。

 そんなの杞憂にしてどこ吹く風。

 男たちは猫に一瞥もくれず猫の真ん前を通り過ぎ、猫は猫でそれをぼーっと見つめるまま微動だにしないのであった。

 ああこの感じ、よいなあと慌ててカメラを構えて撮影。

 人を怖れるでもなく、媚びるでもなく、互いに空気のようにそこに当たり前のようにあるという感じがたまらなくよい。こういう馴染んでる感じを撮りたいのだ。

観光地から一転して路地裏へ。猫と人のほどよい距離感がいい(2015年5月 パナソニック DMC-FZ1000)

観光地から一転して路地裏へ。猫と人のほどよい距離感がいい(2015年5月 パナソニック DMC-FZ1000)

 この猫、実はものすごく人に慣れてて、このあと、私がしゃがんでカメラを構えてたらとことこと寄ってくるのである。しまいには膝に乗ったりするのである。

 そして狭い道路のど真ん中でごろり。

 その無警戒っぽさに敬意を表して1枚。

 このあとお腹を撫でてやりました。

いきなり目の前でごろんと転がるものだから、レンズを広角側にしてモニターを開いて路地の様子がわかるよう低い位置で撮影。こんな路地なのであった。路地と猫は似合う(2015年5月 パナソニック DMC-FZ1000)

いきなり目の前でごろんと転がるものだから、レンズを広角側にしてモニターを開いて路地の様子がわかるよう低い位置で撮影。こんな路地なのであった。路地と猫は似合う(2015年5月 パナソニック DMC-FZ1000)

 観光地・路地裏ときたので、最後は神社にしますか。

 なぜなら崖沿いに並んだ神様の上をとことこと歩く黒猫を見つけたから。

崖のちょっとした段差は天然のキャットウォーク。日差しを浴びながらのんびりと歩いて行ったのであった(2015年5月 パナソニック DMC-FZ1000)

崖のちょっとした段差は天然のキャットウォーク。日差しを浴びながらのんびりと歩いて行ったのであった(2015年5月 パナソニック DMC-FZ1000)

 人間では無理な狭くて高いところを優雅に歩く姿もよい。観光客は滅多にこないエリアなので猫もどことなく気楽そうである。

 時は16時過ぎ。猫と出会いやすい時刻。

 地元の人たちに世話されてる地域猫は、だいたい16~17時くらいにぽつりぽつりと顔を出しはじめる。この黒猫も寝床に戻る途中なのかもしれない。

 逆にいえば、もう日が暮れていくだけだからそろそろ切り上げて帰り支度しましょうねという時間でもある。

 それもそうだな、カメラのバッテリーもヤバいし、今日は帰ろうとと駅に向かって歩きはじめると、塀の隅に隠れてる猫発見。

路地の隅でごはんを待ってるのか、家の扉が開くのを待ってるのか、飼い主を待ってるのか、いずれにせよ、待ってるサバトラ。向こうからは隠れててもこっちからは丸見えなのだった(2015年5月 パナソニック DMC-FZ1000)

路地の隅でごはんを待ってるのか、家の扉が開くのを待ってるのか、飼い主を待ってるのか、いずれにせよ、待ってるサバトラ。向こうからは隠れててもこっちからは丸見えなのだった(2015年5月 パナソニック DMC-FZ1000)

 きっとごはんを待ってるんだろう。警戒しているようなのでちょっと遠くから。

 実はこの日、なんだかんだと10匹以上の猫と遭遇。

 帰宅して写真をチェックしたら、猫を撮りに行ったわけじゃないので、猫写真ばかりでちょいと困ったのであった。

 みなさまも梅雨が来る前に、よいお散歩シーズンをお過ごしください。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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