Appleイベント「Spring Forward」レポート - 新「MacBook」編
2015年03月14日 11時00分更新
米Appleは3月9日(米国時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコ市内のYerba Buena Center for the Arts(YBCA)において「March 2015 Special Event」を開催した。事前の予告通り、同スペシャルイベントのメインテーマは来月発売を控えた「Apple Watch」の続報だが、同時に長らく噂に上っていた「12インチでRetina対応の新型MacBook」のお披露目も行われた。今回は前後編に分け、まず新型MacBook発表が行われた前半のイベント模様を紹介する。
Appleが今注力しているもの
スペシャルイベント冒頭は、中国の風景を映したムービーからスタートする。Appleは年末から今年の春節(Chinese New Year)にかけて中国国内で新規にApple Storeを5店舗開くことを宣言しており、ムービーで紹介された浙江省杭州市西湖(West Lake, Hangzhou, Zhejiang)の店舗もそのひとつだ。1月の同店のオープニングの様子が数分程度のダイジェストで延々と流れる。今回のイベントの基調講演映像そのものはAppleのサイトで誰でも見ることができるが、このオープニングムービーは別途YouTube上にアップロードされており、個別に見ることができる。
ムービー後にステージに登場したApple CEOのTim Cook氏は現在中国内に21のApple Storeが存在し、今後もさらに規模を拡大していくことを強調している。リップサービスを兼ねてのアピールだと思われるが、最近のAppleの中国重視の姿勢を端的に示したものだろう。現在世界にApple Retail Storeは453軒存在し、さらに直近の四半期だけで1億2000万人の来場者がいたという。この集中展開の目下のターゲットが中国というわけだ。
製品に関する最初の発表は「Apple TV」で、すでにコンテンツとして十分なラインナップが揃いつつあると述べ、ここに新たに「HBO」がコンテンツのひとつとして加わることを紹介した。
HBOは日本ではあまりなじみがないと思うが、米国ではCATVや衛星放送でのプレミアムチャンネルの代表的なものとして知られており、人気のTVシリーズや映画のTV向け配信をラインナップに加え、人気チャンネルのひとつとなっている。
本来であれば視聴に当たってCATVなどの契約時にHBOの入ったチャンネルメニューを(高い料金を払って)選択する必要があるが、今回発表された「Apple TV」向けのストリーミングサービス「HBO Now」は、こうした契約なしにHBOのみを独立して視聴できるサービスで、月額14.99ドル(約1821円)で番組がいつでもオンデマンドで楽しめる。4月からの提供開始で、契約初月は無料。
米国特化のサービスではあるが、既存のTV局が新しいビジネスを確立すべくAppleら新しい提携相手を模索している様子がうかがえる。なお、「Apple TV」の本体価格も従来の99ドルから69ドル(日本では8200円/税別)へと値下げされており、もはや「Apple TV」は本体販売で利益を得るというよりも、Appleのエコシステム全体を支えるための“撒き餌”的な要素が強くなりつつある。
この連載の記事
-
第30回
Apple
まだまだ語り足りない! Apple Watchの細かな工夫を一挙公開 -
第29回
Apple
MacBookは買いか? 極薄&超軽量、Retina搭載新マシンの実力を探る -
第28回
Apple
日本航空にApple Watch用製品も提供 - 「IBM MobileFirst for iOS」 -
第27回
Apple
写真で見る「MacBook」 - Geekbenchベンチマーク結果も掲載 -
第26回
Apple
Apple Watch: アップルによる腕時計の再定義 -
第25回
Apple
新MacBook、国内競合モバイルノートとスペック比較! -
第24回
iPhone/Mac
新MacBookは買い? 競合モバイルノートとスペック比較! -
第23回
iPhone/Mac
買う前に知る、新MacBook10の疑問 -
第22回
Apple
今こそ「MacBook Air」が買い時! 新13インチは完成度が高い!! -
第21回
Apple
Appleイベント「Spring Forward」レポート - 「Apple Watch」編 -
第20回
iPhone
「Apple Watchが腕時計型である最大の意義は」――高橋幸治氏 - この連載の一覧へ