3月5日、米スキャリティ(Scality)は日本法人であるスキャリティ・ジャパンの設立を発表した。x86サーバーとSoftware Defined Storageの組み合わせで、低廉なコストと高いスケラビリティを持つオブジェクトストレージ環境を実現する。
スケールアウトを重視したSDSベンダー
スキャリティは2009年に設立された米国のスタートアップで、汎用サーバーとSoftware Defined Storageソフトウェアをベースにしたストレージを提供している。発表会では、米スキャリティCOOのアーワン・メナード氏が会社概要と製品のコンセプトについて説明した。
同社のSoftware Defined Storageソフトウェア「Scality RING」はハードウェアが故障するという前提で、完全な可用性を達成するというアプローチで開発されているという。x86サーバー上で動作し、専用のストレージ製品より安価にペタバイトクラスのインフラ構築を実現。ハードウェアに依存せず、すべての機能が分散するため、無理なくスケールすることが可能だという。
Scarity RINGはサービスプロバイダーや金融機関、メディア、政府機関などをターゲットとしており、Web&クラウド、アーカイブ、コンテンツ配信、分散コンピューティング、エンタープライズクラウドなどがメインの適用分野となる。現在は65社のクラウドスケールの顧客を抱えるという。
ブロードバンドタワーと提携し、国内市場を開拓
今回設立した日本法人を率いるのはFusion-ioやIsilonなどで要職を歴任している江尾 浩昌氏。日本では大手モバイル事業者のメールインフラですでに導入されており、今後のスケールアウトソリューションの需要増大に応えるとのこと。日本法人の設立に際しては営業のみならず、サポートやマーケティングの部門も設置し、迅速なビジネスの立ち上げを実現する。
国内の販売においては、ブロードバンドタワーとディストリビューションパートナー契約を締結。4月には「Scality ATLAS」というパートナープログラムも立ち上げ、間接販売体制を拡充していくという。
また、HPやシーゲイトなどとの緊密なグローバルパートナーシップを日本でも展開する。HPはScality RINGに最適なモデルやホワイトペーパーの提供、マーケティング支援などを展開する予定。シーゲイトはキーバリュー型のEthernetドライブを提供する「Kinetic Open Storage Platform」との連携を進めるという。