米パティーノ(Pertino)は3月5日、ソフトバンクコマースアンドサービス(ソフトバンクC&S)とのディストリビューション契約などを通じて、日本国内での販売チャネルを確立したと発表した。パティーノが提供するクラウドベースの企業向け仮想プライベートネットワーク(VPN)サービスを、日本市場で販売開始する。
最小10台からスモールスタートできる月額制インターネットVPN
パティーノの「Cloud Network Engine」は、企業向けのインターネットVPNを構築する月額制サービス。専用回線や専用ハードウェアの導入が不要のため、スモールスタートが可能であり、たとえば多数の店舗や拠点をVPN接続したいケースなどに適している。
PC(Windows、Mac)だけでなく、モバイルデバイス(iOS、Android)や物理/仮想サーバー、Dockerコンテナ/ホストの間を、エンドトゥエンドの暗号化ネットワーク(AES 256ビット)で安全に接続する。これまでに、エンドユーザーは世界70カ国におよび、1万5000以上のVPNを構築したという。
コントロールプレーンは、Amazon Web Services(AWS)やRackspaceなどのクラウドインフラを使って提供されている(日本向けにはAWS東京リージョンから提供)。VPNのトポロジーやルーティング、ポリシーなどの制御、さらにユーザー管理やVPN使用状態の可視化といった機能が、わかりやすいGUIを通じて操作できる。また、データプレーンは、それぞれのデバイス(PC、モバイル、サーバー)やゲートウェイにインストールされる仮想L3スイッチで構成される。
パティーノの最高マーケティング責任者(CMO)であるトッド・クラウトクレマー(Todd Krautkremer)氏は、「技術者ではないわたしでも、数分でVPNをセットアップできる」と述べ、簡単かつ迅速に仮想プライベートネットワークが構成できる点をアピールした。
さらに、同サービスでは「Pertino AppScape」というアプリストアも提供されており、管理画面の拡張機能や、Active Directoryとのコネクタなどが提供される。
なお、ソフトバンクC&Sにおける価格(税抜)は、10デバイスライセンスで月額3750円から。購入単位は10デバイスごととなっている。また、販売パートナーからの提供価格はそれぞれ異なるものになる見込み。
パートナー各社を通じてVPNを組み込んだソリューションを展開
今回、パティーノでは初の海外チャネル展開先として日本市場を選び、ソフトバンクC&Sとのディストリビュータ契約を締結した。さらに、富士ソフト、NECネッツエスアイ、JBCC、コムチュア、サーバーワークス、スターティアの各社が販売パートナーとして発表されている。
クラウトクレマー氏は、ソフトバンクC&Sを最初のプレミアディストリビュータパートナーに選んだ理由として、「パティーノではモバイル、クラウド、コネクテッドデバイス、SaaSの4つをキーワードとしているが、この方向性がソフトバンクS&Bと合致したため」だと述べた。
ソフトバンクC&SのICT事業本部 MD本部 グローバルビジネス開発室 室長の岩瀬直行氏は、「ソフトバンクグループではキャリア事業やモバイルデバイス提供などを展開しており、パティーノとのパートナーシップを通じて、IoTデバイスを含むあらゆるデバイスとの通信を安全かつ簡単にしていく」と語った。「ソフトバンクでは『情報革命』と言ってきたが、パティーノのサービスもまさに『情報革命』を起こすものだ」(岩瀬氏)。