デフォルトではオフになったが
Windows 8.1でもライブラリ機能自体は利用可能
Windows 7で導入された、複数のフォルダにまたがったファイルをまとめてアクセスできるライブラリ機能は、8.1ではデフォルトで表示がオフになっているが、機能としては搭載されているため、利用することは可能だ。
このライブラリとは、エクスプローラーの「ライブラリ」フォルダにある個々のフォルダをいう。標準で作られている「ドキュメント」や「ピクチャー」といったものがライブラリである。
Windows 7でエクスプローラーのツリー(ナビゲーションウィンドウ)に表示される「ライブラリ」は、実際には、ライブラリが置かれるフォルダに相当する。このため、Windowsエクスプローラーのナビゲーションウィンドウに表示されている「ライブラリ」フォルダを示す場合には、このようにカギ括弧をつけて表記する。
ライブラリは検索機能やインデックス作成機能を使い、複数のフォルダをまとめて1つのフォルダのように見せる機能で、一般フォルダにはない「スタック表示」などが可能になる。
またカラムを使って、特定の条件を満たすファイルだけを表示対象にする「フィルター」機能もある。一定の種類のデータファイルを複数のフォルダで管理しているような場合に1つのフォルダとして扱えるのが最大の利点だ。
デスクトップのエクスプローラーに表示されないが、Windows 8標準付属の「フォト」アプリ(下画面のストアアプリ)では、「画像」ライブラリを表示する機能があり、Readerアプリはライブラリを表示し、そこから文書を選択することができる。
フォルダを細かく管理するのが面倒な
パソコン初心者には便利な機能
デスクトップのエクスプローラーになれてしまうと、複数のフォルダを行き来するのはあまり問題に感じないが、ストアアプリなどではそれは面倒で、フォトアプリのようにすべてのフォルダへアクセスできないものものある。
最初のうちは面倒な感じがあるライブラリだが、使いはじめると複数のフォルダからファイルを探すのが簡単になるなど、利点は少なくない。ただ、表示条件などがファイル形式で固定されていて、ほとんどカスタマイズが不可能なので、不満に感じるユーザーもいるだろう。その意味では、最近パソコンを触り始めたユーザー向けともいえる。
また、ホームグループ、ファイル履歴など、一般向けの多くの機能がライブラリに登録されているフォルダを対象として動作する。使い勝手を高めるため、画像ファイルや音楽ファイル、ビデオ、文書ファイルなどを保存するフォルダは、ライブラリを使ってまとめておくといいだろう。
ただし、欠点もいくつかある。複数のフォルダをまとめて扱うため、ライブラリへドラッグドロップなどでファイルやフォルダをコピーする場合など、あらかじめ指定したフォルダだけが対象になる。実用上大きく困ることはないが、設定以外のフォルダへファイルをコピーしたい場合などには、エクスプローラーで別途コピー先となるフォルダを開かねばならない。
このほか、ネットワークフォルダを追加することは不可能ではないが、その場合には、オフラインフォルダとして指定し、インデックスが作成されるように設定する必要がある。これは、ライブラリが検索用に作成されるインデックス情報を元に動作しているからである。
このため、キャッシュ用にファイル容量が必要になり、ローカルのストレージを圧迫することがある。ファイルサーバーにファイルを置いて、ローカルストレージを空けたいといった場合、ライブラリに追加すると、コピーを持たざるを得なくなるので、あまり意味がない。また、光学ドライブなどもライブラリに含めることはできない。
(次ページでは、「フォルダ構造と関係なく、特定の種類を扱えるライブラリ機能」)
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