加藤電機は2月26日、GPSを利用しない捜索システム「SANフラワー見守りサービス」を発表した。日本で初だという。提供開始は4月27日を予定している。
GPSを利用する捜索システムには「電波が弱いと位置の誤差が大きくなる」「月額利用料が発生する」などの課題があるとし、「SANフラワー見守りサービス」では920MHz帯のプラチナバンドを利用した小型タグとレーダーを捜索に用いる。
主な特徴は、サービスが地域参加型である点。全国の企業や店舗に「SANサポーター」として、防犯ボランティアグループには「SAN見守り隊」としての協力を呼びかける。協力者にはアンテナやレーダーを提供し、捜索システムを地域ごとに構築する考えだ。
同日行なわれた記者発表会では、加藤電機社長 加藤 学氏が登壇。認知症の高齢者や子供への犯罪件数増加といった社会的課題のほか、災害の増加もサービス提供の背景にあるという。
加藤社長は「御嶽山噴火後2週間で、のべ1500名の方が捜索にあたったが、それでもまだ6名の方が行方不明のまま。いかに早く人を発見・救助できるかが重要で、これを実現するためサービスを展開したい」と説明した。
加藤社長は最後に「SANフラワーは始まったばかりの新しい見守りサービス。取り組むべき課題は多いが、広く協力を募りながら全員で見守る仕組みをつくりたい」と語っていた。