昨今のUSBモバイルバッテリーの世界では、安価な10000mAh以上の商品も登場しており、どちらかと言えば、“安価”+“大容量”の製品企画がトレンドになりつつあるようだ。
一方、現実世界で10000mAhものスペア充電パワーを日夜持ち歩くことが必要なヘビーモバイルユーザーがそれほど多くいるとは思えない。
その一時代前に、microSDカードがテクノロジーの競争とそれに伴うコストダウンにより、要/不要に関わらず、知らないうちに主戦場が16GBや32GBのハイレベルステージに移行しているのとほぼ同じような現象だ。
市場での競争が加熱すれば必ず登場してくるのが“多機能化競争”だ。普段はごく普通のUSBモバイルバッテリーだが、時にはLEDライトに変身したり、ボールペンとしても使えたりする商品、冬の戸外で役立つカイロになるものまで登場してきた。
しかし、スマホやタブレットの充電時に確実に必要になる給電USBケーブルの扱いに関しては、極めて無関心なメーカーが多いのは極めて残念なことだ。
スマホには標準でmicroUSBケーブルが付属してくるケースが多く、また市場にはAndroidスマホが標準採用しているmicroUSBケーブルと、アップルのiPhoneなどが標準的に採用しているLightningという2種類のまったく形状の異なるケーブルコネクターが存在することも大きな理由になっている。
しかし、あまのじゃくな筆者は、USBモバイルバッテリーこそモビリティー(携帯性)とコネクティビティー(接続性)がもっとも優先されるべき世界だと思っている。実は先日、そんなイメージにピッタリな“ケーブルマネジメント”最優先のUSBモバイルバッテリーを見つけた。
ケーブルマネジメントとは
“管理”だけでなく“運用”も大事!
あまり聞きなれない言葉かも知れないがケーブルマネジメントとは、日本人的には管理者から連想して「ケーブル管理」と訳する人が多いようだ。しかし、そもそも“マネジメント”という言葉は“管理”だけではなく、その前に“運用”を付けて“運用・管理”とペアで考えるべきことなのだ。
簡単に言ってしまえば、普段は使わないケーブル類を上手く運用(収納&取り出し)して、必要な時には速攻で役立つことを目指して管理することなのだ。いち早くこの構造を採用したのはパナソニックの「QE-PL203」だった。
今も筆者はUSBモバイルバッテリーのベスト・オブ・ベストだと思っているQE-PL203は、リトラクタブル(巻きつけ折りたたみ式)なmicroUSBケーブル(給電用)を持ち、充電池そのものの充電には同社のワイヤレス充電の国際標準規格である「Qi」(チー)にのっとった無接点充電パッドを活用すれば充電用USBケーブルは不要だ。
次ページへ続く、「ケーブルマネージメントが秀逸なレトコンバッテリー」
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