“玄関専用コンシェルジュ”にとどまっているのはもったいない!?
とかく流行りモノにノセられやすい筆者の理解が間違っていなければ、大規模モールやデパートでのibeaconのシンボリックなO2O(Online To Offline)マーケティングなら、何百何千というibeaconの所在(物理アドレス)をすべて事前に決定しておき、それらは管理サーバーの下で整然と動作する。
そこに専用アプリを事前導入したiPhoneユーザーが特定のibeaconを設置した専門店の前を通りかかった時に、その特定ユーザーに最適なクーポンを送ったり、その場所にユニークな案内をしたりというのが一般的だと思っていた。
全国の不特定多数がウェブショップ経由で購入するそらビーコンには、当然ながら事前にその実機がどこに設置されるか不明であり、コストの問題もあり、サーバーによる配置ロケーションの管理は行なわれていない。
言うならば、少し高価なibeaconを単なるQRコードやNFCタグと同じように“アプリ起動のトリガー”として使用するというもったいない使い方だ。
ゆえに、そらビーコンを購入し、お天気アプリであるそら用心を導入したユーザーのiPhoneは、そらビーコンに設定された電波領域(例えば玄関から1m以内)に入ると、自動的にそらビーコンからの電波を検知する。
その後、事前導入したそら用心アプリがiPhone側で認知した現在の位置情報をくっつけてお天気サーバーにアクセスし、降水確率情報などを持ち帰って表示、発声するのだろう。
あくまでそらビーコンは、時間やあたり構わず降水情報を読み上げられては迷惑なので、自宅やオフィス内でそれを読み上げてもいい場所の認識だけに使っているものなのだ。
そらビーコンをトライアルで使用した方の一部からは絶賛の声もあるようだが、筆者の期待するibeaconの使い方とは隔たりがあり、寂しく感じてしまった。
個人的には、ibeaconの理解のための勉強道具としては合格ラインではあるが、やはりかなり残念でもある。理由はただひとつ、ibeaconはcm単位でiPhoneの位置を割り出しているにもかかわらず、その結果が、GPSでも十分な極めて大きなドメインである「区」「市」とかの単位で表現される「お天気」という漠然とした結果に置き換えられていることだろう。そして機械的な音声発声の味気なさだ。
やはり、何と言っても期待の一番目は、まだ見ぬ「ボールペンサイズの折り畳み傘」。二番目は、数年前から米国には実在した「雨が降る前には柄が光る傘」。そして3番目に「そらビーコン」+「そら用心」。そして、三番目とほぼ同じことは、いろいろなバリエーションがある無料の“お天気アプリ”だけの四番目でもできてしまうことだ。
「そらビーコン」+「そら用心」は、どうしても“玄関先”だけで“今日のこれからの降水確率”を自分のためだけに読み上げてほしい情報ナルシストのための“玄関専用コンシェルジュ”サービスだ。
筆者個人的には、ぜひとも降水確率の読み上げボイスのメイド版か大阪のおばちゃん編に期待したい。
今回の衝動買い
アイテム:「そらビーコン」
価格:そらビーコン オンラインショップにて3800円で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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