11月15日に開催されたセキュリティイベント「AVTOKYO 2014」。今回は初の試みで「ビレッジ」が設けられた。ビレッジとは参加型のイベントやコンテストコーナーのことで、米国のセキュリティイベント「DEFCON」でもパケット分析や錠前破りなど、有志コミュニティによる多種多様なビレッジが並んでいた。
バグハンター酒場ではハッキングチャレンジが開催
AVTOKYO 2014では、2つのビレッジがあった。1つは、バグハンター酒場。もう1つは、Tokyo HackerSpace主催のモノづくりビレッジだ。
バグハンター酒場は、ハッカー同士が歓談できるスペースだ。学生やセキュリティ業界の最前線に立つ専門家たちが、アルコール片手に集まっていた。
そんな酒場の一角で行なわれていたのが、ハッキングチャレンジだ。どくろマークの描かれた黒い箱には問題が入っており、解答となるパスワードを探り当てた人はビール5杯の賞品をゲットできる。
何人かが挑戦しては敗れ、時間は刻々と過ぎた。そして閉幕ぎりぎりに、とうとうパスワード抽出に成功した人物が登場。見事、ご褒美のビールにありついた。
はんだごてを○年ぶりに持つ著者、リードをこんもり盛り付け
もう1つのビレッジでは、モノ作りに挑戦できた。主催するTokyo HackerSpaceは、ITや科学、料理など、面白いと思ったものを何でも取り上げ、みんなで教え学び、楽しもうという有志のコミュニティ。勉強会は基本的に毎週あり、火曜は英語、水曜は日本語で行なわれているという。
今回のビレッジでは、Arduinoを使った電子工作などを得意とするモノ作りの名人が登場し、LEDのガジェット作り教室を開いていた。
ということで、名人の誘いを受け、ハンダゴテを扱うのは○年ぶりの著者も何か作ることにした。いくつかあるキットの中から「簡単だよ」とお勧めされたのが、ジュールシーフ。古い電池のエネルギー(ジュール)を最後まで搾り取ってLEDを光らせる電子回路だ。
いざ開封してみると細かいパーツがたくさん出てきて、溶接個所もなかなか多い。一瞬不安になり、不器用だが本当に大丈夫かと聞くと、「4~5歳の子供にも教えたけど、みんなすぐできるようになったよ!」と笑顔で言われて、後に引けなくなった。
作業は、最初から最後まで名人が付きっきりで教えてくれた。まずは、パーツを基盤に挿す。挿す場所は、基盤の絵柄を見ながら探す。最初はこれが一番簡単かもと、名人が抵抗器を渡してくれた。抵抗器の両端のリード線を折り曲げて、はまりそうな穴を探して挿し込む。パズルのようで楽しい。
準備が整ったらコテを熱して、恐らく前についた汚れを落とすためにスポンジで拭う。
次に、コテ先に糸ハンダを溶かしながら塗りつけて、基盤の固定個所にハンダゴテを乗せる。そして、糸ハンダをコテに付けて溶かし、穴がふさがったら糸ハンダを離して、コテを離す。その後、余分なリード線をニッパで切る。
不器用かつ不慣れさも手伝い、リードをデコ盛りして落ち込んだが、ほめ上手で根気のよい名人の指導のおかげで、なんとか気力を取り戻すことができた。
そんな様子を興味深そうに覗く参加者がいたので、声をかけて交代していただいた。東京に出張中で、たまたまイベントを知り参加したと言うYotsutake氏。ハンダゴテを使ったのははるか昔と遠い目をしながら、作業台に向かった。
久しぶりと言いながらも、落ち着いた様子でハンダ付けするYotsutake氏。明らかに著者よりも素晴らしい出来栄えで、軽く嫉妬を覚える。
パーツを1つ取り付けていただき、残りの作業は著者が頑張ることに。最後までデコ盛りは続いたが、なんとか完成にこぎつけた。手持ちの新品の電池を入れたところ、まぶしいまでの光を放った。大満足だ。
座学も面白いが、手を動かす参加型ビレッジもまた楽しい。AVTokyoの次回開催日はまだ発表されていないが、次も何かビレッジが立つことを秘かに期待している。