VoLTEは高音質で高機能! 並ぶものなし?
うるせえ糸電話ぶつけるぞ
スマホのことなら何でも気になる、アスキースマホ総研のメンバー。彼らが最近注目しているのが「VoLTE」だ。LTEのデータ通信上で音声通話を実装し、これまでのスマホにはない機能と高音質を実現する技術である。
しかしながら、スゴイ技術なのでスゴイのだ……と言うだけではあまりにも芸がないし、そもそも、何も伝わらない。IT系ニュースサイトたるもの、やはりそのスゴさをわかりやすく伝えるのが使命。
悩んだ末にアスキースマホ総研がたどり着いたのが、なぜか糸電話でVoLTEに対抗しようということだった。そんなの勝てっこないじゃないか……それは当然の意見だろう。ならば、せめて最強の糸電話を作ってやろうじゃないか。さらにVoLTEによって実現される機能を、糸電話でもやってみようじゃないか。いつもながら、やる気だけは十分なアスキースマホ総研であった。
えええ! 糸電話って実はVoLTEだった!?
「糸電話とVoLTEは何の関係もないだろ! いい加減にしろ!」と思われる人もいるだろう。しかし、糸電話はとても古く(Very old)からある技術で、糸(Line)を使った、ちょっと極端(Extreme)な見た目の電話(Telephone)である。すなわち、「Very old Line Telephone Extreme」。まさしく“VoLTE”ではないか。今回は言うなれば、ハイテクのVoLTEと、ローテクのVoLTEの戦いである。
しかし、編集部で糸電話を作ったとしても、ピンと糸を伸ばして実験できる場所がない。どうしたものかと悩んでいると、アスキースマホ総研のリーダー・カリーさんが「海ですよ、海! 砂浜は広いから実験にピッタリだし、これからクリスマスの時期でお台場などに集まるカップルもいますから、リア充も注目するはず!」と提案してきた。
そこで我々は、海をバックに撮影できる葛西海浜公園を実験場所に選んだ。ここなら糸を長く伸ばしても大丈夫。それにクリスマスに糸電話でメロウトークを囁いたら、ロマンチックと言えなくもない(強引)。ただ、この選択が後に悲劇を招くことになろうとは、我々は知る由もなかったのである。
最強の糸電話を作る前に、まずはVoLTEを体験する
ところで、VoLTEの通話品質は、今までの3G回線とどこに違いがあるのか? すでにVoLTEを体験しているアスキースマホ総研のメンバーに感想を聞くと、口をそろえて言うのは「特に高音域がきれいに聞こえる」ということ。これまでのケータイは高い声がもごもごとこもった感じになったのに対し、VoLTEでは音声が自然にかつ明瞭に聞こえるのだ。
これだけでも糸電話で対抗するのはなかなか大変そうだが、VoLTEのポイントはそれだけではない。ドコモに続いてサービスインしたauのVoLTEは他に機能もあるのがポイントだ。スマホの画面を通話相手と共有しながら通話する「シンク機能」、最大30人と同時に通話をする「ボイスパーティー」などが目玉だ。
ここまで聞くと糸電話の敗色濃厚な感じもしてくるところだが、「さすがに糸電話じゃどうしようもないだろ」と言ったらすべてが終わってしまうので、我々は逃げない。糸電話でスマホの画面を共有することも、複数人と同時通話することもできるんじゃないだろうか。ともかく、挑んでみようではないか。
VoLTEについて真面目に解説、その1
「VoLTEって、どんな技術なの?」
VoLTEは「Voice over LTE」の略(「ボルテ」と呼ぶのが一般的)。本来データ通信専用のLTEネットワークで音声通話を可能にする技術だ。データ通信で音声通話をするという意味では、LINEやSkypeと似た技術と言えるが、一方で音声通話用に帯域を保障するなど、通信の効率性と確実な通話の両方を実現しているのが特徴的と言える。
(次ページでは、「究極の糸電話を作るために、本気で実験した」)