米マイクロソフトは、全世界で最大1万8000人を対象とした人員削減計画を発表した。
日本マイクロソフトへの影響について、同社・樋口泰行社長は、「現時点で決まったものはない」とするものの、「日本マイクロソフトにも影響を及ぼす可能性がある。可能性がおよぶ範囲は、デバイス関連が想定される」とした。
今回の人員削減計画は、今年4月25日に、マイクロソフトが買収したノキアのデバイスおよびサービス事業が中心。さらに、マイクロソフトにおける組織を簡素化し、マイクロソフトの全社的戦略との整合性を高めることが狙いだとする。
そのため、実質的にノキアがない日本の組織への影響は限定的ともいえそうだ。
同社の発表によると、今後1年間で、最大1万8000のポジションを削減。そのうち、製造部門を含む約1万2500のポジションが、ノキアのデバイスおよびサービス事業とのシナジーを目的にした削減になるという。
最初の1万3000ボジションの削減については、今後6ヵ月以内に通知。対象となるすべての社員に対して、退職手当を支給するという。
だが、人員削減を行う一方で、戦略的分野には人員を追加していることを同社のサティア・ナデラCEOが社員向けのメッセージの中で明らかにしている。
人員削減計画は、2014年12月31日までに大部分を完了させ、2015年6月30日までにすべて完了させる予定だ。
これに伴い同社では、今後1年間で11億〜16億ドルの税込費用を計上する予定。そのうち、7億5000万ドル〜8億ドルの退職金や関連給付金費用、3億5000万ドル〜8億ドルの資産関連費用が含まれるという。
ナデラCEOは、組織の簡素化については、情報の流れと意思決定を加速するために、マネジメントの階層を上下、横方向の両面から削減。組織のフラット化と、ピープルマネージャーの権限範囲の拡大を図るとしている。
ノキアに関しては、高価格帯でのシェア獲得のためにマイクロソフトが打ち出す「Digital Work & Life Experiences」をもとに製品化を進める一方で、一部の「Nokia X」の製品設計をWindowsが稼働するLumia製品へと変えることで低価格のスマートフォン市場での成功につなげるという。
またナデラCEOは、「これらの変革の意思決定は困難だが、不可欠である」としている。