前回までは筆者が使いはじめたIIJmioをメインに紹介してきたが、格安SIMは各社から出ており、そのサービスもさまざま。料金×容量だけで選ぶのもいいが、実際の通信状態はもちろん、付属するサービスも重要だ。
いくら安くても不足するサービスを補うために別のサービスに有料で加入すれば、当初の価格差が吹き飛んでしまったりする。逆に、付随するサービスや機能を有効活用することで、さらにお得に使うこともできる。そこで、今回は付随サービスなどに重点を置いて格安SIMを比べてみたい。
IIJmioなど共通IDとパスワードの格安SIMなら
端末を変えてもすぐ接続できる!
実は筆者はもうひとつ、格安SIMを手に入れて使っている。格安SIMの中でも人気がある「OCN モバイルONE」だ。それを使ってみるとIIJmioとは大きく違ったサービスで、単に容量と価格で選んではいけないことを実感する。
OCNのSIMを使うとわかることだが、設定の際、IDとパスワードはユーザーごとに個別に設定されたものが必要となる。そのため、設定情報を持ち歩いていなければ、例えばどこかでスマートフォンやタブレットを少し拝借して試してみるという使い方をする場合、設定が面倒ということになる。また、借り物の端末に自分のIDを設定してしまうというのもあまり気持ちのいいものではないだろう。
一方のIIJmioなど、接続IDとパスワードが共通のサービスでは、設定情報としてIDとパスワードも公開されており誰でも設定ができる。個別のユーザーの判別はSIMカードで行なわれているため、IDやパスワードが公開されていてもなんの問題がないからだ。
ちなみに、NTTドコモのspモードやmopera Uの場合はAPN設定の際にIDとパスワードの入力が不要。これも簡単にSIMの差し替えができるサービスだろう。
IDとパスワードは一度設定してしまえばいいので、個別になっているからといって特に不便なわけではないが、端末を気分に合わせて取り替えて楽しみたいというのであれば、接続設定の簡単さにこだわってみてもいいのではないだろうか。
IIJmioやOCNなら
高速と低速の切り替えでデータ量を節約!
通信容量の節約には、高速と低速の切り替えのシステムが用意されているか否かが重要になる。このシステムが用意されているIIJmioやOCNでは効果的に低速サービスを使うことで、大きく容量を節約できる。
IIJmioやOCNとは少し違うが、日本通信のb-mobileにも似たようなシステムがある。すでに高速通信のデータ容量を使い切った際、追加で高速通信の容量を購入できるが、この追加分に関してはオンとオフの切り替えが可能だ。
また、1GBでは不足することがある場合は、最初から容量の大きなプランの用意されたサービスを選択する方法もある。例えば月間7GBのプランも選べるBIGLOBEに加入しておけば、通信容量が増減に合わせてプラン変更していけば効率的に利用できる。
とはいえ、日常的に大容量を使うことがわかっている場合、格安SIMではなくドコモやau、ソフトバンク、イーモバイルなどと契約したほうが端末代も含めて結果的にお得という場合もある。格安SIMとはいえ、データ容量が大きくなれば格安ではない点は注意したい。
次ページへ続く、「プロバイダーのメールアドレスがほしいならOCNやBIGLOBEを選べ!」
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