ハイアールアクアセールスが、7月上旬から順次発売する縦型洗濯乾燥機「AQW-VW1000C」など4機種は、日本のユーザーの利用環境を徹底して追求した製品だといえる。中国に本拠を置くハイアールグループの一員でありながらも、日本市場向けの専用ブランドである「AQUA」ならではのこだわりが随所にみられるからだ。それは、ハイアールアクアセールスの母体となった三洋電機の洗濯機事業のDNAが生きていることを証明するものともいえるだろう。
「縦型洗濯機を日本で唯一生産しているのは、AQUAだけ」(ハイアールアジアインターナショナルマーケティング本部Washing Machineグループ・内藤正浩マネージャー)というMADE IN JAPANの強みも訴求する。キャッチフレーズは「2014年、洗濯を変える」。その強い意志を持って投入した、新たな縦型洗濯機の狙いを追った。
洗濯機の基本性能を根本に立ち返る
80年以上におよぶ洗濯機の歴史を考えれば、「洗濯機の技術進化はすでに限界に達しているのではないか」とすら感じる。しかも、長年の歴史を持つ縦型洗濯機ならばなおさらだ。
だが、ハイアールアジアインターナショナルマーケティング本部Washing Machineグループ・内藤正浩マネージャーは、「これまでの洗濯機の常識を変える製品を、いよいよ投入できる」と自信をみせる。
それはなぜか。
ハイアールアクアセールスが、新たな縦型洗濯機の開発のベースにおいたのは、「洗浄力」という、洗濯機の基本性能を根本に立ち返って考えた点にあった。
内藤マネージャーは、「洗濯機において、多くの購入者が重視するのが洗浄力。しかし、いくら洗浄力を強化しても、お客様の不満は減らない。では、求められる洗浄力とはなんなのか。突き詰めていくと、自分のイメージ通りに仕上がっているかどうか、ということに尽きるのではないかと考えた」とする。
これまでの洗浄力の考え方は、皮脂汚れや泥汚れなど、様々な汚れをいかに落とすのかといったことが焦点だった。もちろん、その視点はこれからも重要だ。
だが、今回の縦型洗濯機では、「イメージ通りに仕上がる洗浄力」、言いかえれば「洗濯で失敗したくない」というスタンスからの洗浄力を追求したという点が異なるという。
ここでいう「洗濯の失敗」とは、汚れを落としたいのにきれいになっていない、という状況はもちろん、「しわが多くて、アイロンをかける手間がかかる」「大切な衣類が破けてしまった」、あるいは「洗濯物のズボンのポケットに紙が入っている状態で一緒に洗浄してしまい、衣類が紙ごみだらけになってしまった」という洗濯の失敗も含まれる。いずれにしろ、もう一度、洗濯しなくてはならないという状況が、ここでいう「洗濯の失敗」ということになる。
「もう一度洗わなくてはならない状況に遭遇することが、結果として洗浄力が弱いということにつながるのではないか」。
ここに立ち返って開発したのが、今回の縦型洗濯機だというわけだ。