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amadana代表取締役社長の熊本浩志氏がHAIのクリエイティブを統括

ハイアールとamadanaが業務提携、共同でものづくり

2014年06月05日 19時33分更新

文● 松野/ASCII.jp編集部

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ハイアールアジアインターナショナルとamadanaが業務提携を発表

 家電メーカーのハイアールアジアインターナショナル(以下HAI)、および「amadana」ブランド製品を販売するamadana(6月4日付でリアル・フリートより社名変更)は6月5日、日本とアジアを中心としたエリアにおける戦略的パートナーシップを締結し、業務提携を行うと発表した。ハイアールは中国・青島を拠点とする白物家電では世界最大級のメーカーで、HAIは同社が三洋電機の白物家電事業を買収して誕生した、日本とアジアの総括会社だ。

 提携の一環として、amadanaの創業者で代表取締役社長の熊本浩志氏がHAIのチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)に就任。HAIの家電ブランド「AQUA」に関するクリエイティブ全体を統括する立場となった。同時に、生活家電用品を中心としたamadanaブランド製品をHAIで開発・製造し、日本およびASEAN地域で国際展開していくほか、パートナーシップに基づき開発した製品は、今後amadanaがアジア地域で展開する「amadana コンセプトショップ」でも販売していく。

 提携内容は今後も増えていく見込みだが、現時点ではほかに、原宿のamadana本社内へ「HAI Creative Center Harajuku(仮名)」を設置することなどを検討しているという。

デザインによる付加価値ではなく、ビジネスそのものへのチャレンジへ

HIA代表取締役兼CEOの伊藤嘉明氏(左)とamadana代表取締役の熊本浩志氏(右)

 発表会ではHIA代表取締役兼CEOの伊藤嘉明氏、amadana代表取締役の熊本浩志氏が揃って登壇。二人が交互に話す形で発表が進行した。

 日本コカ・コーラやレノボ、アディダスジャパンなどで勤務経験があり、様々な業界を渡り歩いてきた伊藤氏だが、HAIへ入社するにあたって最も実現したかったのは「業界の革命」だという。「新しい考え方や新しいビジネスを考えようとしたときに、現状のままの進め方でいいのだろうかと思った。熊本氏と出会い、是非この人と一緒にプロジェクトを立ち上げたいということで、今回の発表に至った」と切り出した。

 熊本氏は「伊藤氏はいい意味で『よそ者』。業界のしがらみや固定概念を覆してくれる発想と実績を持っている人がやっと現れた」と語り、自身も大手電機メーカーに勤めていた経験から「ずっと感じていた業界の閉塞感を打破してくれる人だと思った。クリエイティブという側面から一緒に面白いことをやっていきたい」とした。

最初のミーティングでは6時間、2度目のミーティングでは7時間、休憩なしで話したという両氏。波長が合うこともビジネスには重要だと伊藤氏は言う

 デザイン家電ブランドとして認知されているamadanaだが、この業務提携は必ずしもデザインによる付加価値を高める意図で締結されたわけではない、と両氏は言う。「デザインバリューチェーンはこの10年で大きく変わっている。ものをデザインしたから付加価値が付くわけではなく、ビジネスモデルそのものへチャレンジし、いかに新しいユーザーエクスペリエンス(顧客体験)を提供していくかが重要」と熊本氏は強調する。

 2社がともに注力しているビジネスモデルは、SNSなどのオープンプラットフォームで消費者との対話を図り、共同で製品開発をしていく「共創マーケティング」だ。ハイアールは消費者との意見交換だけでなく、ウェブサイト上で報酬を対価に技術の提供を呼びかけるなど、企業をも巻き込む体系で成果を上げているし、amadanaは同社サイト「amidus」でプロジェクトを公開し、意見を広く求めている。そのような部分でも共鳴し、今回の提携が実現したのだという。

資本提携などの予定はなく、あくまで業務のみの提携となる

中国と日本のハイブリッド家電メーカーに
amadanaのクリエイティブがどう作用する?

 製品の展開に関しては「モノの新しい価値を作っていくうえで、冷蔵庫や洗濯機のような、いわゆる白物家電にこだわるつもりはない」とした伊藤氏。熊本氏は「産業の垣根が壊れてきている。例えば今までは家を建てて売っていた人たちが、どう家をスマート化していくか、どうスマートフォンと繋げていくかを考えなくてはいけない。それはファッションやスポーツなども同じで、あらゆるものが電気化している。電機メーカーが新製品を出して世の中を牽引していく時代ではもはやなく、消費者はハードウェアをあくまで手段として利用する。そのような目線で製品開発をしなくてはいけない」と語った。

 「『クールジャパン』はアニメだけではない。クリエイティブなものづくりを通して『クールジャパン』を再定義し、アジアというマーケットで受け入れられる事業を実現できればいいと思う」とした伊藤氏。熊本氏は「日本のカルチャーは世界で評価されている。クリエイティブをモノに注入して届けていくのが私たちの役割。次の時代のメイド・イン・ジャパンは製造業ではなく創造業になるのではないかと思っているので、アジアのプラットフォームを通してそのような思いを世界に届けていければいい」と意気込みを語り、発表の結びとした。

固く握手をする両氏

初出時、登壇者のお名前に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。(2014年6月5日)

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