そもそもインターネットが何に役立つか理解されている?
途上国で使われている言語が入力できる?
最後の「認知啓蒙」はインターネットを利用するとどんなことができるのか、価値を知ってもらうための取り組みである。多くの人々が「インターネット」を耳にしたことがあっても、その価値を体感できなければそのためにお金を投じたいと思わないとWu氏は語る。ケータイで通話のみ利用している既存加入者も、データ通信プランを利用するメリットを知らないユーザーが多いという。
また、自分の言語で入力できるキーボードがないなどの問題もまだ残っていると言う。「やるべきことはたくさんある」とする。
Wu氏はFacebookの取り組みとして、同社がルワンダでNokiaと共同展開する「SocialEDU」プロジェクトを紹介した。ルワンダの学生にedXによるオンラインの教育コンテンツを提供するもので、政府が販売助成金を支援するなどの協力を得て実現しているという。また、フィリピンのオペレーターGlobe Telecomが展開するFacebookに無料でアクセスできるプログラムにも言及した。
最後にGoogleのバルーン(風船)、Facebookのドローン(無人機)など新しいインターネット網構築技術についても話が及んだ。Wu氏は「オペレーターと協力することが基本」としながらも、「過疎地などでは技術イノベーションが必要」と述べ、ドローンなどの解決策を模索するとした。だが、短期的にはオペレーターと協業して次の30億人を接続すると強調、ドローンなどの技術革新はあくまで補完的で長期的な視野で進めるものと区別した。
周知のように、中国では政府のネット規制によりFacebookにアクセスできない。そして、.orgドメインのためか、Internet.orgのサイトにもアクセスできなかった。Internet.orgは東南アジアやアフリカがフォーカス地域となるが、中国での取り組みは現時点ではないとのことだ。