ユーザーが自身のプライバシーをコントロールしやすくなる新機能が発表された。
Facebook がようやくプライバシー問題に本気で取り組み始めたようだ。水曜日にサンフランシスコで開催された F8 デベロッパーカンファレンスで、CEO のマーク・ザッカーバーグは Facebook ログインに対する新しい機能を発表した。ユーザーのプライバシーに関するものだ。
ユーザーは、Facebook ログインを匿名で使えるようになった。Facebook アカウントを使ってモバイルアプリケーションにログインしても、ログイン先のアプリケーションはユーザーの個人情報を一切取得することができなくなる。
「アプリ側にあなたが誰であるかを知られることなく、同期できるようになります」とザッカーバーグは言っている。「もし情報を共有したいと思った場合には、本当の個人情報でサインインすることも可能です」。
Facebook は過去にもプライバシー問題に取り組んできた。ザッカーバーグは、オンラインの匿名性に関する考え方がお粗末だという悪評を立てられている。Facebook 体験というのは結局、ユーザーの身元を全てさらけ出してしまうからだ。しかし匿名ログインを使えばユーザーの懸念は解消される。ユーザーの本当の名前や住所、または Facebook の「いいね」履歴などを知らなくても機能的に差し支えのないアプリケーションに対しては、個人情報を共有しなくても済むようになるのだ。アプリケーションはユーザーの名前の代わりに、Facebook が生成した匿名IDを受け取ることになる。
とはいえ、この新しい匿名ログインは完全に一方的なものだ。アプリはユーザーが誰であるか知らないが、Facebook は依然としてユーザーがどんなアプリを使っているのか把握できる。
「ユーザーが使っているアプリを把握することで、クロスデバイス対応が可能になります」と、Facebook のプラットフォーム・プロダクト・マネージャーのエディー・オニールは述べている。「ユーザーが iPhone から iPad または Web に移行した場合にも、同一の匿名IDを割り当てることができるのです」。
プライバシーは気になるが、サードパーティ製アプリケーションには引き続き本人としてログインしたいというユーザーのためには、アクセス許可を編集できる機能も用意されている。あるアプリケーションにログインする際、個人情報をどこまで共有するかを詳細に選択できるというものだ。
「私たちは、人々が青い(Facebookログインの)ボタンを押すのを恐れているのだと分かっています」とザッカーバーグは言い、ユーザーがサードパーティ製のアプリに自分の個人情報を共有するのを嫌がっていることを認めた。「私たちは、Facebook での情報共有がユーザーを驚かせたりするような結果は望んでいません」。
相乗りサービスアプリ「Lyft」のような一部のアプリケーションは、利用に際してユーザーの名前や顔写真といった個人情報の提供を要求するだろうが、今後ユーザーはアプリが要求した情報のみを提供し、それ以外は隠しておくことができる。
※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら。