以前に比べると身近になったとはいえ、飛行機を気軽に使うという人はいまだ多くない。だが、飛行機に搭乗する際、地上スタッフや客室乗務員(キャビンクルー)などのフロントサービススタッフたちが、パリっと制服を着こなして、仕事をする姿は多くの人を魅了してきたことだろう。
そのスタッフが身につけている制服は、歴史とともにデザインなどが変更されてきた。このほど、2005年5月以来10年ぶりに全日空運輸(以下、ANA)のフロントサービススタッフの制服がリニューアルされることになり、発表会が行なわれたので、その模様をお伝えしよう。
4月24日、羽田空港国際線ターミナルと国内線ターミナルの間に位置する東京モノレール新整備場駅に降り立った報道陣は、そのままANAの職員に促されてマイクロバスに乗車。ANA羽田空港 機体メンテナンスセンターへと連れてこられた。普段は最新鋭旅客機のメンテナンスをしているハンガーへと案内され、B777-200ERの巨体の足元に。どうやらここで新制服がお披露目されるようだ。
今回、リニューアルされるのは、飛行機の機内で乗客の誘導や配膳などのサービスを行なう客室乗務員、地上で搭乗手続きなどの業務を行なう地上旅客スタッフ、ラウンジスタッフのお客さんの前に搭乗するフロントサービススタッフと呼ばれる3職種で、統一されたコンセプトでデザインされている。
新制服は、お披露目までに約2年間の歳月がかかっており、現場で働くスタッフからさまざまな要望をまとめ「グローバルななかで、認知度を向上させ、挑戦というキーワードをベースに、変化し続けるANAを感じていただきたい」というコンセプトを、社内で発足したプロジェクトチームで決定した。
決定したコンセプトを元に、ミシェル・オバマ米国大統領夫人やケンブリッジ公爵ウィリアム王子の夫人であるキャサリン妃など多くのセレブレティが愛用する新進気鋭のデザイナー プラバル・グルン氏がデザインを担当し、新制服ができあがった。
この日の発表会には、ソチ冬季オリンピックの男子フィギュアスケート金メダリストの羽生結弦選手も登場し、新制服のコンセプト“挑戦”について、「僕も世界に挑戦しているので、同じ。新しい制服は、エレガントで上品な印象です」とコメントした。