今回は4月9日に配布が始まったWindows 8.1 Update(Update 1と呼ぶ場合もある)を見ていくことにしよう。8.1 Updateは、Windows Update経由で配布され、既存のWindows 8.1のユーザーは無料で入手できる。
今のところ大きな問題もなさそうなので、早めににアップデートしておいたほうがいいだろう。ただし、データ量は800MB程度と少なくないので、自宅などの高速なネットワークが利用でき、万一のトラブルに対応できるような場所でアップデートを行なった方がいい。
要求リソースが減っていることからも
内部的には大きな変更があった!?
今回のアップデートでは内部的な改良もあり、メモリフットプリント(最低1GBのメモリで動作可能に)や、外部ストレージの必要容量などの改良点がある。これはカーネルなどさまざまな部分が改良されていることを意味し、内部的な変更は小さくないようだ。
おそらくWindows PhoneやXboxと共通で動作するUniversal Windows APPSの関係でWindows 8自体のハードウェア利用効率を上げる必要があったのだと思われる。というのもWindows Phone 8.1もXbox OneもWindows 8.xをベースに作られており、特にWindows Phone 8.1で、Windows 8.xと同じストアアプリを動かすためには、システム全体の必要メモリ容量などを削減する必要があったのだろう。また、必要メモリ量を削減することは、既存のハードウェアをWindows Phone 8.1へアップデートしたときにも有利に働く。
なお、既存のWindows 8.1マシンから8.1 Updateに更新した場合、メモリの利用効率は上がるようだが、HDDの空き容量が増えるわけではない。これは8.1 UpdateがWindows Updateを経由しているためで、アンインストールに備え既存のモジュールを削除しないからである。必要ストレージ容量の削減は、おもに新規のハードウェアでのメリットである。
タッチとマウスを区別し
マウスではデスクトップっぽく操作可能に
8.1 Updateの目にみえる大きな変更点は、スタート画面とデスクトップのタスクバーだろう。また、今回のアップデートではマウスによる操作とタップによる操作が区別され、これまで同じだったタッチ操作とマウス操作が違った動作に対応するようになった。
Windows 8の時点ではタッチ操作を優先してユーザーインターフェースを作り、マウス操作はタッチ操作と等価で、マウスでは不可能なタッチ操作であるエッジ操作(画面外側から指を滑らせて行う操作)などを他の操作(画面の角へマウスカーソルを持っていくこと)で対応した。Windows 8.1ではツールバー左端にウィンドウズロゴアイコンを置いてスタートメニュー的な「WinXメニュー」などを導入したが、これもマウス/タッチを区別しない改良だっだ。
今回のアップデートでは、スタート画面にコンテキストメニューが導入され、マウスによる操作は、より“デスクトップ的”になった。タッチで操作できるようにするというマイクロソフトのスタンスは変わらないが、従来のデスクトップやノートPCなど、マウスを併用することが多いユーザーに配慮し、これまでのWindowsが持ってきたデスクトップの操作感覚をモダンUI側に持ち込んだといえる。しかし、悪く言えば古くからあるデスクトップのやり方に“先祖返り”だといえる。
よく考えてみれば、タブレットなどではタッチ操作が中心で、マウスを併用することは少なく、逆にノートPCやデスクトップでは、マウスの利用率は非常に高い。このため、マウスにはマウスらしい操作性を取り戻させたというのが今回のアップデートだ。
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