スウェーデンに本社を置く化粧品会社FOREOは、月面の反射能を上げることで地球の夜を明るくする「ブライタームーン(Brighter Moon)」計画を発表した。
地球では夜の町や道を照らすため街灯を多数並べている。1基の街灯あたり年間120kgのCO2を排出し、米国では3000万の街灯が立ち並び、年間360万トンのCOを排出していることになる。
月のアルベド(反射能)は0.12と、天体の中でも低いほうだが満月では新聞が読めるほど明るい。計画の試算では、月面のうち0.1%の面積(スイスほどの大きさ)に反射材を設けることで月光を80%増加させ、人間社会が夜間照明に費やす膨大なエネルギーとCO2排出量を低減できるとしている。
計画の技術的な詳細は明らかにされていないが、高反射性の粉体をロケットで散布するといった手段が推測され、現在世界中で進められているLED街灯への交換などよりもはるかに安上がりに実現可能という。計画によると、すでに5289万ドルの資金が集まり、素材・技術研究を進めて2040年頃には実施できるという。
FOREOは化粧品会社なので美白方面の話題作りを目的にした冗談だと思われるが、女性用化粧品がわずかな量で顔全体を驚くほど白っぽくできること考えれば現在の化粧品(というか高反射率塗料)の技術を考えれば理屈にはあってる。ちなみに火星テラフォーミング計画案にしても黒っぽい物質を散布して地表の熱吸収率を高めるというアイデアもまじめに検討されていたりするので技術的には無理ではないように思えるのだが。
Brighter Moon: a solution to the global energy crisis