「言語では対応する」が、
「市場としては日本は含まれていない」奇妙な状況
しかし、Office for iPadは、日本語を含む29言語に対応しているが、日本では提供されていない。「言語では対応する」が、「市場としては日本は含まれていない」という奇妙な状況になっている。
これには理由がある。
というのも、日本では、個人ユーザーを対象にしたOffice 365のサブスクリプションサービスが提供されていないからだ。
つまり、Office 365のサブスクリプションサービスによる収益モデルを想定しているマイクロソフトにとって、そのサービスが存在しない日本では、無償で提供するだけに終わるOffice for iPadを投入する意味がないというわけだ。
もともと日本では、Officeアプリケーションを、PCにインストールして提供する手法が定着している。これは世界的にみても、日本が特殊といえるほどに突出した構成比を持つ。言い換えれば、ライセンスモデルによる販売手法から脱却しにくい状況にある。そのため、Office 365による個人向けサブスクリプションサービスは提供してこなかったという背景がある。その日本特有の市場環境が、Office for iPadの日本での投入を見送る結果につながっている。
個人向けサブスクリプションサービスを
年内を目標に開始する方向で検討か
だが、いつまでもそうしているわけではないようだ。
日本マイクロソフトでは、年内を目標に、個人向けOffice 365のサブスクリプションサービスを開始する方向で検討しているようだ。これを開始することで、日本マイクロソフトにとっても、Office for iPadを無償提供する意味が出てくる。
Office 365の個人向けサブスクリプションサービスの提供開始と、Office for iPadの公開はセットで進められることになるわけだ。
日本のiPadユーザーは、Office for iPadの登場まで、もうしばらく待つしかなさそうだ。
Microsoft OneNote for iPad | |||
---|---|---|---|
価格 | 無料 | 作者 | Microsoft |
バージョン | 2.2 | ファイル容量 | 187.2MB |
対応デバイス | iPadシリーズ | 対応OS | iOS 7以降 |
OneDrive(旧 SkyDrive) | |||
---|---|---|---|
価格 | 無料 | 作者 | Microsoft |
バージョン | 4.1 | ファイル容量 | 6.1MB |
対応デバイス | iPhone/iPad/iPod touch | 対応OS | iOS 6.0以降 |
OWA for iPad | |||
---|---|---|---|
価格 | 無料 | 作者 | Microsoft |
バージョン | 1.0.6 | ファイル容量 | 26.9 MB |
対応デバイス | iPadシリーズ | 対応OS | iOS 6以降 |
Lync 2013 for iPad | |||
---|---|---|---|
価格 | 無料 | 作者 | Microsoft |
バージョン | 5.3 | ファイル容量 | 24.1 MB |
対応デバイス | iPadシリーズ | 対応OS | iOS 7以降 |
Microsoft Remote Desktop | |||
---|---|---|---|
価格 | 無料 | 作者 | Microsoft |
バージョン | 8.0.5 | ファイル容量 | 12.1 MB |
対応デバイス | iPhone/iPad/iPod touch | 対応OS | iOS 6.0以降 |
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