FIFA via Getty Images
画像や動画のライセンスに関するサービスを展開するゲッティ イメージズは、2014年に開催されるFIFAワールドカップ ブラジル大会、2020年の東京オリンピックにて公式の報道写真を提供する。
同社は現在、広告・ウェブサイト向けの写真・イラスト素材や、新聞・雑誌・テレビ向けの報道写真など、1億5千万点を超える画像、180万点以上の映像を提供している。2011年にはNAVERまとめやハフィントン・ポスト、米YahooなどのウェブサービスにAPIを使って画像を提供する「ConnectAPI」を展開。さらに2013年に共同通信、BBCと提携するなど、報道ビジネスを拡充してきた。
2014年のソチオリンピックでは、IOCオフィシャルフォトエージェンシーとして、公式の報道写真を手がけた。IOCのウェブサイトにて、360度パノラマ撮影によって開会式や競技の様子を臨場感のある写真で巡れる「バーチャルツアー」を提供。報道写真における他社との差別化要因として、競技の専門知識を持ったカメラマンによって、より決定的な瞬間を撮影できることなどを挙げた。
2014年6月開催のワールドカップでは、ゲッティ イメージズがFIFAとパートナー協定を結び、FIFA公式の報道写真を提供する。全試合最低2名~4名のFIFAカメラマンを投入し、通常はカメラが入れない選手の更衣室やコーチベンチ、通路などで独占撮影をおこなう。また、オフィシャル以外にも全試合で最低5名の専属カメラマンが入り、最短180秒で顧客に写真を提供するという。
また、ソチオリンピックと同様に、360度のパノラマ写真を全試合で公開。HTML5で提供することでスマホにも対応し、写真の好きな部分にタグ付けし、SNSなどで共有できるサービスを予定しているという。
SNSが普及し、誰でも気軽にInstagramやTwitter、Facebookなどで写真を公開できるようになり、写真の利用は様変わりした。こうした背景を受けて、ゲッティ イメージズは、同社がライセンスする画像や動画を、非商用に限りブログやSNSに無料で埋め込みが可能なサービスを開始した。
ワールドカップやオリンピックなどのイベントにおいて、その場所にいない人でも会場の特有の空気をリアルタイムで伝えるSNSやブログは、ニュースや新聞と並んで大きな役割を果たしていると言える。公式ならではの高クオリティーな写真を気軽に共有できることで、よりイベントの楽しみ方の幅が広がるのではないだろうか。
同社スポーツイメージ・オペレーション部門担当のケン・マイナルディス氏は「2020年の東京オリンピック開催時のフォトグラフィー市場の状況を予想するのは難しいが、画像ソースのプラットフォームは減っていき、少数のサービスに集中していくだろう」とコメント。画像埋め込み機能の実装や、高品質な画像SNS「EyeEm」との提携によって、将来的にはInstagramやTwitterと並ぶ画像共有プラットフォームを目指す考えだ。