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LINE、番号偽造問題について見解を表明

2014年03月28日 23時45分更新

文● ASCII.jp編集部

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 LINEは、LINEから固定/携帯電話に発信できる「LINE電話」で電話をかけた際、着信側に表示される電話番号の偽造が可能ではないかとする問題について、オフィシャルブログ上で見解を発表した

 LINE電話はインターネットを経由するVoIPアプリでありながら、携帯電話宛に発信した際、端末側の携帯番号を通話先に通知する機能を持っている(着信側がドコモの場合は不可、au/ソフトバンクは可能)。このとき表示される電話番号はLINEのIDを取得する際に入力するものであり、SMSでコードが届くことで認証する仕組みが用意されている。

LINE電話で発信すると、相手側にはLINEのIDと紐付いた携帯の番号が通知される

 LINEでは1つの電話番号で1台の端末しか認証できないが、問題は1台のスマホで異なるSIMを入れ替えて使ったり、そもそもSIMを抜いて利用する場合。「SIM A」でSMS認証を行なったあと、そのスマホに「SIM B」を挿したり、SIMを差さない状態でLINE電話を使っている場合も、「SIM A」の電話番号が相手に通知される。

ここでLINE電話を利用しているスマホのSIMを変更

しかし、通話先に通知される番号は変わらない

 これに対し、LINEは、

 既にSMS認証されているアカウントをSIMカードの差し替え等によって、他の端末でログインした場合、もとの端末ではLINEおよび「LINE電話」が再度SMS認証されるまで利用できなくなります。そのため、通常の利用では発生しませんが、万が一、故意や悪意のある第三者によって自分のアカウントがログインされた場合や、電話番号をなりすまされた場合は、もとの端末を保持している本人のLINEが利用できなくなるため、全く誰にも気づかれずに悪用され続ける可能性は非常に低いです。

と説明している。

 これをわかりやすいケースで考えてみよう。たとえば、スマホを紛失したり、盗難された場合でも、そのことに気づいてSIMカードを再発行してもらい、異なるスマホでLINEのSMS認証をし直すと、無くした側のスマホでは再度SMS認証しない限り、LINEは使えなくなる。もちろん自分の番号は通知されない。

 また万が一、スマホやSIMが一時的に盗難されるなどして、他人のスマホでSMS認証されてしまっても、今度は自分の端末でLINEが利用できなくなるので気がつくはず、というのがLINE側の主張と考えられる。

 ただし、前者のケースでは、再発行したSIMでLINEにログインしてSMS認証をし直さない限り、(紛失した)スマホでLINEは使い続けられるし、元の電話番号が通知され続ける。

 また、たとえば無くした(盗まれた)スマホのことはさっぱりと諦めて、契約だけを停止。新しい電話番号とLINEのIDを取得して、以前使っていた自分の電話番号やLINEのIDの存在を忘れてしまうと、その電話番号が勝手に通知され続けてしまうといった状況も可能性としてはありえる。

 LINEでは「現段階でも悪用されるリスクは非常に低いと考えていますが、今後も引き続きユーザーの皆様の利用動向を見ながら、更なる技術的対応策についても検討してまいります」としているが、電話番号と物理的なSIMカードという従来のわかりやすい紐付けが無くなった結果、その関係が理解しにくくなっているのは確か。少なくともユーザーには、もっとわかりやすく仕組みを説明することが必要と言えるだろう。


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