MozillaのモバイルOS「Firefox OS」を搭載したスマートフォンが市場に登場してそろそろ1ヵ月、市場は6ヵ国に広がった。Android/Samsung、iOS/Appleの2社独占に風穴を空けられるかが注目されるが、Mozillaはまずは新興市場で地位を確立する戦略だ。今回はFirefox OS関連の最新状況をまとめたい。
TelefonicaとDeutshe Telekomが
合計4市場でローンチ
Firefox OS今年2月のMobile World Congressでイベントを開催し、スペインTelefonica、ドイツDeutsche Telekomなどオペレーターを中心に、モバイル業界の幹部をずらりと揃えてローンチに向けた意気込みを示した(関連記事)。
当時17社だったオペレーターはその後19社に、端末メーカーはZTE、Huawei Technologies、Alcatel(TCL Communication Technology)、LG、ソニーモバイルの5社にその後にApple製品製造で知られるFoxconn Technology Groupも加わった。オペレーターの中には日本のKDDIも名を連ねている。MWCではまた、ZTEが初のFirefox OSスマートフォンとして「ZTE Open」を発表した。
そしてついに7月、Telefonicaが同社お膝元のスペインにおいて、Movistarブランドで「ZTE Open」の提供を開始。その後Deusche TelekomがポーランドでZTE OpenとALCATEL ONE TOUCH Fireをリリースした。2月のMWCではローンチは今夏とされていたことから、ほぼ計画通りの進捗といえる。
Telefonicaはその後、自社がサービスを展開するコロンビアとベネズエラでもFirefoxスマホの提供にこぎ着けた。端末はZTE OpenとALCATEL ONE TOUCH Fireの2機種だ。第4四半期にはブラジルにも拡大すると述べている。一方のDeusche Telekomは、ドイツでのサブブランドCongstar、ハンガリーの子会社Magner TelekomとギリシャCosmoteでも、Firefoxスマートフォン(ALCATEL ONE TOUCH Fire)の取り扱いを開始するとした。
このように、具体的なローンチ時期を明らかにしているのはTelefonicaとDeutsche Telekomの2社だが、MWCでは北欧・東欧で展開するTelenorが今年後半ローンチするとの見通しを示していた。また、4月のイベントで当時MozillaのCEOを務めていたGary Kovac氏が年内に16の市場に到達するだろうと述べたことが報じられており、秋もFirefox OSスマホのローンチに関するニュースが期待できそうだ。ちなみにKDDIは、MWCで「提供は1~2年後」と述べており、2014年以降の登場が予想できる。
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