Googleは7月24日にAndroidの新バージョンである「Android 4.3」を発表している。ASCII.jp編集部のNexus 7にもようやくAndroid 4.3が配信されたので、変更点などについて紹介していこう。
コードネームは変わらず
マイナーアップデートに留まる
新バージョンのAndroid 4.3といっても、実はコードネームはAndroid 4.1/4.2と同じ「Jelly Bean」。つまり変更点は(少なくとも一般のユーザーからは)小規模である。ちなみにAndroid 4.1の初登場は2012年6月。1年以上に渡って、メジャーバージョンアップが行なわれていないことになる。
Android 4.3の変更点として、開発者向けサイトで最初にうたわれているのはパフォーマンスの改良。2D描写やマルチコアCPUへの最適化、画像やテキストのレンダリング改善などが挙げられている。さらにクラスプラットフォームの3D API「OpenGL ES 3.0」にも対応。よりパワフルな3D描写を採用したゲームタイトルの登場も期待できる(Open ES 3.0は新Nexus 7、Nexus 4、Nexus 10ですでに利用可能としている)。
ユーザーレベルで体感できる最大の変化は、マルチユーザー機能の大幅強化だろう。Android 4.2でマルチユーザーに対応し、ホームスクリーンやアカウントの設定などを分離できたが、Android 4.3では他ユーザーに対し、制限を設定する機能が搭載された。
たとえば、制限対象のユーザーがログインした場合に、アプリ内の追加オプション購入機能を無効にすることも可能で、タブレットを子供に買い与える際に便利だろう。iOS機器に対するアドバンテージとしてアピールされる機会も多くなるに違いない。
ようやくBluetooth low energyにOSレベルで対応
活動量計などがAndroid端末にも対応するか!?
このほか、ハードウェア面では「Bluetooth SMART」(Bluetooth low energy)に対応。今話題の活動量計などのセンサーデバイスと、非常に低消費電力での接続がサポートされる。Bluetooth low energyへの対応はiOSデバイスと比べると遅れており、たとえば活動量計の各製品でも、Android端末では個別にいくつかの製品でのみ利用可能という状況だったが、今後対応が進んでいきそうだ。
細かなところでは「Wi-Fi scan-only mode」がある。これは通信機能としてはWi-Fiをオフにしていても、位置情報のスキャン用にのみWi-Fiを自動的に利用するというもので、正確な位置情報の測定とバッテリーの節約が両立できるモードである。
なお、Android 4.3ではビデオ系アプリが動作しないという例もネット上では多く報告されている。この点には注意した方がいいだろう。
Android端末を確実に進化させるバージョンアップなのは間違いないが、メジャーアップデートが1年以上も無いというのは、さすがに寂しい感じもする。巨大プラットフォームとなったAndroidにおいては、もはや華々しい新機能や見た目の変化より、プラットフォームの分断を防ぎつつの着実な前進が必要になった時期に入ったのかもしれない。