マイクロソフト・トゥディ 第51回
「国内でのWindows Phone 8投入に向けて、引き続き努力していく」
日本マイクロソフト 樋口社長が使うべきスマホは何か?
2013年06月27日 13時30分更新
日本マイクロソフトとWindows Phone
前世代となる「Windows Phone 7.5」では、富士通が2011年8月に、au向けの「Windows Phone IS12T」を発売したが、この1機種以外、Windows Phoneは日本では発売されていない。
実は、この状況は、日本マイクロソフト自身に対して、影響が出ている。
アップルへの対抗を強く打ち出しているマイクロソフトにとって、PCメーカー各社から発売するPC、自社ブランドのタブレットであるSurface、そして、Windows Phone 8搭載スマートフォンが揃って、マック、iPad、iPhoneへの対抗軸が完成する。日本ではその一角が抜け落ちているのだ。いわば、マーケティング戦略上でも、「片翼飛行」を余儀なくされている状況といえる。
そして、何にもまして、日本マイクロソフト社員が使用するスマートフォンは、今後何になるのかという問題がここにきて出始めている。
現在、日本マイクロソフトの社員は、Windows Phone IS12Tを使用している。これによって、従来のドコモからauへとほとんどの社員が乗り換える結果となった。
しかし、今年8月には発売から2年を経過するWindows Phone IS12Tは、在庫が残り少なくなり、新たに入社した社員に提供する端末供給にも問題が出ようとしている。
また、樋口社長をはじめとする幹部社員も、発売から約2年を経過したWindows Phone IS12Tから乗り換えられないという状況が続いているのだ。
一般ユーザーの多くが、2年縛りの関係上、2年で新たな端末に乗り換えることになるが、その時期を迎えても、日本マイクロソフトの幹部や社員は、ここから移行する先の端末がないということになる。
「デバイス&サービスカンパニー」への移行を進めている日本マイクロソフトにとって、幹部、社員が最新のスマートフォンを使えないという異例の環境に陥っているのは、戦略と実態とに格差があると言わざるを得ない。
Windows Phone 8国内投入への努力
バルマーCEOの発言は、日本でのWindows Phone 8の投入を期待させるものだといえるが、その実現にはまだ時間がかかりそうである。
7月からの同社新年度で、キャリア向け事業の担当役員がこれまでの兼任体制から、専任体制となることで、より戦略的な動きができるようになるのは確かであろう。
樋口社長も「新たな組織体制により、全力的で取り組める体制が整う。国内でのWindows Phone 8投入に向けて、引き続き努力していく」とする。
年内での発売は難しいものの、来年以降の早期市場投入に向けて、本腰を入れて準備を進めていくことになりそうだ。
こうしてみると、早期に日本での投入を望んでいるのは、エンドユーザーだけではないといえる。日本マイクロソフトの社員自身も、Windows Phone 8の国内投入を望んでいる、というのが本音といえそうだ。
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