デバイスやOSの選択肢が増えたのも大きな理由
中小企業はそもそもWindows XPの移行を考えていない?
2013年06月26日 06時00分更新
多彩な端末とOSの選択肢が移行をとまどわせる
また、異なった観点ではあるが、Windows XPからの移行を阻害する要因として、従来に比べてプラットフォームやデバイスの選択肢が多様化してきたという背景がある。
1990年代後半にPCをベースにしたオープンシステムが隆盛を誇って以来、長らくクライアントはPCと決まっていた。2000年以降はPCのアーキテクチャも、x86ベースにほぼ統一され、Windows OSとMicrosoft Officeというソフトウェア構成もいわば“鉄板”と呼べるものだった。そのため情報システム部としては、あまり迷うことなく新しいPCを購入し、そのPCに載っているWindowsとOfficeを提供していれば問題なかったのだ。
しかし2010年以降、クライアントデバイスやOSにもさまざまな選択肢が生まれた。スマートフォンやタブレットが急速に台頭し、プラットフォームとしてiOSとAnrdoidが勢力を拡大した。昨今はWindows OSの開発元であるマイクロソフトすら「Surface」のようなタブレットに注力し、iPadのようなタブレットでもOfficeが使えるようになる。当たり前のようにWindows PCを使い、Officeを立ち上げて仕事をするという形態が徐々に変わりつつあるのだ。
もう1つの側面としてはご存じ仮想化・クラウドの波である。特にVDI(Virtual Desktop Infrastructure)のような仮想化技術が進化し、モバイルネットワークが普及したことで、デスクトップを遠隔から利用するという形態が決して珍しくなくなってきた。端末に情報を残したくない、運用管理の負荷を軽減したいといったニーズから、VDIを導入する企業はどんどん増えている。仮想化やクラウドによる割り勘効果でコスト面でも現実的な選択肢になっているのだ。
こうしたVDIの用途では、端末は必ずしもWindows PCである必要はない。業務によっては、シンクライアントなり、タブレットなりを使っても問題ないわけだ。こうした背景から、移行先が果たしてWindows 7や8でよいのか、決めかねているユーザーも多いのではないかと推測される。
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