思わず息をのむほど美しい映像の「ColorEdge CX240」
デジカメ写真を印刷した時、液晶ディスプレーと色合いが異なってプリントされた経験はあるだろう。これは液晶ディスプレーとプリンターとで色合いが異なっているために発生する現象だ。「カラーマッチング」と呼ばれる作業を行なってふたつの色を合わせることで、思い通りのプリント結果を得られるようになる。
EIZOのクリエイティブ向けディスプレー「ColorEdge CX240」は、付属ソフト「ColorNavigator Elements」でのカラーマッチングが可能な24.1型ワイドの液晶ディスプレーだ。解像度は1920×1200ドット(WUXGA)で、液晶にはノングレアのIPSパネルを採用している。
カラーマッチングの方法は簡単で、実際のプリント結果を見ながら明るさや色合いが近づくよう調整するだけ。スライドバーを動かしたりサムネイルを選択するだけなので、初心者でも手軽に操作可能だ。調整結果はColorEdge CX240本体内蔵の「コレクションセンサー」に自動的に記録され、ディスプレーの使用時間が200時間を超えるたびに記録した状態にリセットされる。センサーを使ったキャリブレーションのように面倒な操作なしで、いつも同じ色合いに保てるのだ。
より厳密なカラーマネージングを行ないたい人向けには、専用センサーとカラーマネージングソフト「ColorNavigator」が付属するモデル「ColorEdge CX240-CNX」も用意されている。液晶ディスプレーの色合いをセンサーで計測することで、より正確な表示補正が可能だ。
Adobe RGBカバー率97%、NTSC比101%
また、ColorEdge CX240は色域が広く、階調性に優れているのも魅力。Adobe RGB色域は97%をカバーし、一般的な液晶ディスプレーでは難しい色まで忠実に再現できる。DisplayPortでの接続時の表示階調は1024階調と、一般的モデルの4倍。さらに10bit出力に対応したグラフィックスボードとソフトウェアがあれば、約10億7374万色もの色を表示できるのだ。通常のディスプレーの表示色である1677万色と比べると、ColorEdge CX240がいかに表現力豊かな液晶ディスプレーであるか、分かるだろう。
実のところ、CX240の映像を直接見るまで「そんなに画質が変わるわけがない」と思っていた。だが、比較用の標準的なディスプレーを用意するまでもなく、その違いはひと目で分かった。写真の美しさもさることながら、文字もシャープで見やすい。その美しさは文章では伝えきれないため、ぜひ実際に製品を確認してほしい。
さらにすべてのディスプレーで同じ色を再現するために、工場で1台ずつ256段階の階調調整が行なわれているというから驚きだ。色再現性への強いこだわりは、EIZOならではといえるだろう。
インターフェースも充実
ColorEdge CX240では入力端子として映像出力用のDVI-I端子、HDMI端子、DisplayPort端子に加え、USB 2.0端子が合計4基用意されている(そのうち、2基はディスプレーコントロール用)。また、液晶部分を右に90度回転できるピボット機能に対応しているほか、128mmの昇降や前後30度のチルトなど可動範囲が広いのも魅力。状況に合わせた柔軟な運用が可能だ。
主な仕様 | |
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製品名 | ColorEdge CX240 |
表示サイズ(アスペクト比) | 24.1型(IPS/LEDバックライト/ノングレア) |
最大解像度 | DisplayPort/DVI:1920×1200ドット(WUXGA)、HDMI:1920×1080ドット(フルHD) |
表示色 | DisplayPort:約10億7374万色:10bit対応(約278兆色中/16bit-LUT)、DVI/HDMI:約1677万色:8bit対応(約278兆色中/16bit-LUT) |
色域 | Adobe RGBカバー率97%、NTSC比101% |
コントラスト比 | 1000:1(標準) |
輝度 | 300cd/m2(標準) |
応答速度 | 7.7ms(中間階調域) |
視野角 | 水平178度/垂直178度 |
インターフェース | DisplayPort端子、DVI-I端子、HDMI端子、USB 2.0端子×4(うち、ディスプレーコントロール用端子×2) |
サウンド機能 | ― |
スタンド | 昇降機能128mm、チルト上30度、スウィーベル344度、縦回転 |
消費電力 | 38W(標準)、節電時消費電力0.5W以下 |
本体サイズ | 横表示時:横575×奥行245.5×高さ417〜545mm、縦表示時: 横398×奥行245.5×高さ594.5〜642.5mm |