ソフトバンクは、2012年10月に発表していたアメリカ第3位の携帯電話会社Sprint Nextelの買収案について(関連記事)、一部取引内容を変更した上で、Sprint Nextelの特別委員会と取締役会が承認。6月25日に開催される臨時株主総会において決議にかけられる予定と発表した。Sprint Nextelの特別委員会と取締役会は、株主に対して賛成票を投じることを推奨している。
新しい買収内容では、投資総額が当初発表されていた約201億ドルから約216億ドルにアップ。このうち、約166億ドルがスプリントの株主に支払われ(変更前は約121億ドル)、残りの50億ドル(変更前は80億ドル)はSprint Nextelに対して用いられる。
買収内容が変更されたのは、アメリカで衛星放送事業を展開するDish Network社が対抗案を出してきたことによる。Dish Networkの買収案は金額的には255億ドルとソフトバンクの提案を上回っている。しかし、同業であるソフトバンクモバイルとのシナジーなど、孫正義社長がソフトバンク案側の優位性についてプレゼンテーションを行なうなど、繰り返しアピールしていた(関連記事)。
円高時代の為替予約により
15億ドルアップでもオトクな金額!?
なお、ソフトバンクはSprint Nextelの買収に際し、当初案の約201億ドル分については1ドル=82.2円で為替予約済みである。今回の増加した15億ドル(こちらは1ドル=98円で約1470億円)を加えても総額約1兆8000億円。現在の為替レートを考えると、円換算ではかなりオトクな金額となっている。