昨年優勝した富士!
しかし予選はギリギリの戦いに
4月28~29日にかけて行なわれた、SUPER GT 第2戦 富士スピードウェイ。われらが初音ミクZ4は予選8位、決勝9位という結果だった。昨年、劇的な優勝をはたしたこの地で、いったい何があったのか? 富士戦をレポートしよう。
ここ数年の富士では珍しく、予選日から天候は晴れ。ストレートスピードが勝敗に大きく影響する富士において、コーナリングマシンとなったミクZ4は、苦手なサーキットである。どちらかというと、雨が降ってくれたほうが全体的にスピードが落ちるので、チャンスが増えるのだが……。朝の練習走行ではそれでも6番手タイムで終わり、ドライコンディションでも展開次第では勝てるのでは? と予感させた。しかし、片岡選手がドライブした予選1回目ではあまりタイムがあがらず、「1'39.657」のベストタイムでギリギリ13位を通過した。この不調の原因を片岡選手に聞いた。
片岡選手「Q1では新しいタイヤを履いて行ったんですが、予選前にちょっと変えたセッティングが合わなかったのか、うまくタイヤがグリップしなくて、クルマのフィーリングも全体的にイマイチでした。ミスはないけど良いアタックができたという感触がなかったですね。だからなのか、ギリギリの13位でした」
変えたセッティングとうまくマッチングしなかったようだ。とはいえ、予選1回目は通過さえすれば順位は関係ない。キッチリと通過するあたり、さすが片岡選手である。
迎えた予選2回目。ステアリングを握るのは谷口選手。シーズン前に行なわれたテストよりも速いタイムを出し、最高速で負けてても周りに十分ついていけている! と思いきや、SLSやGT-R勢のスピードが脅威的で、ベストタイム「1'38.912」をもってしても8位という苦しい展開であった。谷口選手に予選を振り返ってもらった。
谷口選手「これまでやってきたテストでのタイムも上回ることができて、自分としては目一杯良いタイムを出したつもりだったんですけど、まわりも速かったですね。SLSやGT-Rが速いことはわかってましたが、JAF勢もかなり速いので、一発の速さでは勝負できない感じです。
とはいえ、決勝は500kmと長いです。我々はいろんな作戦を持っていますので、そちらでは負けません!」
苦戦することがわかっていたとはいえ、非常に厳しい現実を突きつけられた。しかし、レースとは一発を競うタイムアタックではない。とくに第2戦の富士は500kmの長丁場である。最高速で劣っていても、作戦やドライバーの腕前で一発逆転することは可能だ。チーム監督である大橋監督は「もともとクルマの特性的にココ(富士)は厳しいと思っていましたし、ほかのクルマたちが速かったですね」と総括する。
「Q1もQ2もZ4が遅かったわけでもタイヤが悪いわけでもありません。バランスよく、みんなが速くなっているんだと思います。セッティングが決まるか決まらないかで、順位が2つ3つ変わる感じでしょうか」
大橋監督の言うとおり、どのマシンもまんべんなく速く、さらに1秒以内に何台もがひしめき合っている。クルマの特性による違いはあれど、極端に遅いクルマはいない。海外のBOP(バランスオブパワー)と国内のレギュレーションがうまくバランスしているのだろう。こうなってくると、勝敗を決めるのは総合的なチーム力と少しの運である。
勝利の女神は天使のミクさんに微笑んでくれるのか!?
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