Nokiaは4月22日、オランダのアムステルダム地方裁判所より、HTCの最新のフラッグシップ端末「HTC One」に関するマイク部品供給差し止め仮処分を勝ち取ったことを発表した。HTC Oneの供給不足が問題となっている状況で、HTCにとってさらなる打撃となる可能性もありそうだ。
問題となったマイク部品は、ST Microelectronicsが製造したもので、HTC Oneが搭載している。Nokiaはこれらの部品および技術は自社が開発し、Nokia向けに独占的に製造されていると主張して訴訟を起こしていた。
NokiaはHigh Amplitude Audio Capture(HAAC)とよばれる高性能なマイクを「Lumia 920」「Lumia 720」などのWindows Phoneスマートフォン、およびSymbianベースの「Nokia 808 PureView」などに搭載している。一方、HTCはHTC Oneを2月中旬に発表、2つのマイクを利用するHDR録音を端末の特長の1つとしている。
この仮処分は2014年3月まで有効。その間、ST MicroはHTCがグローバルで提供する機種に対して、該当するコンポーネントの供給を控えることになる。HTC Oneはそれ以前から部品不足が報じられており、今回の仮処分を受けてさらに状況が悪化するかが注目される。HTCは当初、HTC Oneを3月中に発売する予定だったが、部品供給の遅れから発売が遅れ、今週やっとアメリカでの発売にこぎ着けたところだ。
HTCはReutersに対し、「今回の仮処分が事業に与える影響を検討しているところで、すぐにでも代替の方法を探るつもりだ」とコメントしている。
Nokiaはドイツ、米国、英国でHTCを相手に特許訴訟を展開しており、合計で40件以上の自社特許をHTCが侵害していると主張している。