2011年にインテルが打ち出した「Ultrabook」の潮流は、いまではすっかり定着した感がある。もちろん、インテルのある幹部が以前に語ったように「ノートパソコンはすべてUltrabookになる」というほど広がっているわけではない。しかし薄型軽量で起動が速く、長時間駆動のモバイルノートは、リーズナブルな価格と相まって、ノートパソコンの一方の主役になったと言えるだろう。第3世代Coreプロセッサー(Ivy Bridge)搭載のUltrabookは、すでに140機種も登場しているという。
ではWindows 8も登場した2013年のUltrabookは、どういう進化を目指すのだろうか? 20日インテルは、東京都内にて記者説明会を開催。同社代表取締役社長の吉田和正氏らは、2013年のインテルはタブレット形態に変形するUltrabook「Ultrabookコンバーチブル」に力を入れていくと説明した。
こちらの記事にもあるように、タッチパネルを備えてタブレット形態に変形するUltrabookは、Windows 8世代を象徴するノートパソコンとなっている。パソコンに求められる「生産性」や入力の容易さといった利点と、タブレットが得意とする「楽しむ」を両立した変形Ultrabookは、家庭でも外出先でも、あるいは個人でも複数人でも楽しんで使えるパソコンというわけだ。吉田氏も質疑応答で、体験イベントで披露した変形Ultrabookに対する来場者の反応について、「新しいパソコンという印象を持たれた。知りたい情報がタッチを通して大きな画面に出てくるのは、今までの利用形態ではなかったという印象を受けた」という手応えがあったと述べた。
説明会では寸劇によって、個人や友人同士、あるいは家庭の中で、変形Ultrabookがどう使われるかというイメージを披露。変形Ultrabookがけっして尖った製品を好むマニアのためだけでなく、多くのユーザー層に適応できる使い方の広がったものであると示していた。
Windows 8発売以降のパソコン市場は、新製品の割高感が敬遠されているのか、今ひとつ景気の良い話は聞こえてこない。変形Ultrabookが各社から登場してくることにより、「パソコンが変わったかもしれない」と消費者に期待感を抱かせられるような製品が、もっとたくさん登場してくることを期待したい。