今回試用するのは、NECパーソナルコンピュータの「LaVie Y LY750/JW」(以下LaVie Y)だ。「LaVie」のブランドを冠してはいるが、厳密には「PC」ではない。Windowsが動くが「Windows 8マシン」ではない。CPUにARM系プロセッサーを使った「Windows RT」搭載機である。
国内メーカーとしては現時点で唯一のWindows RTマシンであり、読者の中にも、その位置付けをつかみかねている方がいそうだ。x86系でない、既存のWindowsアプリの使えない「Windowsマシン」はどのような存在になるのか? 実機を使って確かめてみよう。
見た目はいかにも「モバイルノート」
日本向け要素に注目
LaVie Yは一見すると、「日本で喜ばれそうな軽量モバイルノート」そのものに見える。シルバーのボディにフラットな天板。内側はブラック。11.6型ディスプレー搭載で、重量は1.24kg。同社の軽量Ultrabook「LaVie Z」ほど軽いわけではないが、モバイルノートとして悪い水準ではない。予想実売価格が9万円台であることを思えば、リーズナブルである範囲かな、と思う。
キーボードなどの印象もいい。高級感はないが、しっかりとしたタイプ感がある。11.6型というサイズ制約からか、Enterキーなど端のキーが小さくはなっているが、許容範囲内といったところだろうか。タッチパッドも必要十分な大きさで、違和感もない。
この製品の特別なところのひとつは、ディスプレーに静電容量式タッチセンサーが組み込まれている点だ。タッチ操作を生かすために、単純にクラムシェルとして使えるだけでなく、ヒンジ部が二重構造になっていて、くるりと裏まで回る。こうしてタブレット形状になることが、この世代の製品らしいところだ。
この仕組みはいまや珍しいものではなく、クラムシェル構造とタブレット形状の両立を狙う上では、ひとつのスタンダードになった感がある。レノボの「IdeaPad Yoga 13」もこの構造だ。NECはレノボと合弁事業をしており、LeVie YはレノボのIdeaPad Yogaの影響下にある。
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