復興特別所得税や消費税率引き上げなど大きな法改正に対応
2014年の危機を乗り切るため「弥生 13」が目指すモノ
11月6日、弥生は業務パッケージソフトの最新版「弥生 13シリーズ」を発表し、11月30日に一斉発売する。現在進められている「社会保障と税の一体改革」でのさまざまな法令化を見据え、製品だけではなく、サポート、サービスを拡充しているのが大きなポイントだ。
危機をチャンスに!度重なる法改正に対応
弥生 13シリーズは業務パッケージソフトの最新版で、ラインナップは「弥生会計 13」「弥生給与 13」「弥生販売 13」「やよいの青色申告 13」「やよい給与計算 13」「やよいの見積・納品・請求書 13」「やよいの顧客管理 13」などで構成される。最新版では、Windows 8に対応したほか、最新法令改正/税制改正にいち早く対応。その他、オンライン動画によるスタートアップガイドや既存バージョンからのコンバート対象の拡大、他社製品との連携も強化した。
発表会に登壇した弥生 代表取締役社長 岡本浩一郎氏は、前バージョンの弥生 12についてレビューした。まず2012年度の本数シェアは53.3%になり、はじめて50%という大台を超えたという。年間実売本数も10万5000本、金額シェアも69.4%を獲得。2年連続で過去最高の業績を達成し、岡本氏は「5年越しでチャレンジして、リーマンショックもあり、苦労したが、ようやく売上高も100億円を超えることができた」と胸を張る。
一方で、2014年は日本、顧客、そして弥生にとって「危機の年」になると指摘した。これは復興特別法人税、復興特別所得税のほか、2度に渡る消費税率の引き上げ、さらに白色申告者の記帳義務化など、企業の業績に影響の大きい法令改正が続くからだ。しかし、岡本氏は、「危機という言葉は、危険と機会という2つで成り立っている。大きな障壁になる一方、次のステージにあがれるチャンスになる」と述べ、危機をチャンスと捉え、インフラとしてお客様を支えていくとアピールした。
Windows XPのサポート終了への対応は?
こうした中、弥生 13シリーズでは、まず平成24年分の所得税確定申告や年末調整のほか、復興特別所得税などにいち早く対応。源泉徴収が必要な報酬や料金での計算式の変更にも対応する。また、2012年2月に公表された「中小企業の会計に関する基本要領」の支援も強化していくほか、将来的な消費税の税率アップについてもキャッチアップしていくことが明確にされた。
また、2014年4月には消費税率の引き上げに加え、Windows XPのサポート終了という「危機」も訪れる。これに対しては、従来は最新バージョンに至るまで、何回かデータ形式のバージョンアップを行なう必要があったが、既存バージョン(弥生会計 6から12まで)から弥生 13シリーズに直接コンバートできるように改善を図った。これにより、現状55%(同社調べ)を超えるXPユーザーにおいても、徐々にバージョンアップを図ってもらうという。さらに、PC環境のアップグレード自体を支援するサービスとして、弥生推奨のPCやサービスプロバイダー、セキュリティソフトなどを優待価格でサービスを提供する。
その他、帳票デザインテンプレートの拡充や宅配便送り状発行システム連携、ContactXML形式による他社のはがき作成ソフトの連携など、きめ細やかな機能強化が図られている。
たとえば、宅配便送り状発行システム連携は、高価なドットインパクトプリンターを用いる複写式から宅配事業者が推進しているシール式の送り状に対応すべく、弥生販売ややよいの見積・納品・請求書、やよいの顧客管理などのアプリケーションから、顧客情報を送り先発行システム用のデータとして出力するというもの。この送り状データをヤマト運輸や佐川急便のシステムに取り込むことにより、レーザー/インクジェントプリンターでシール式の送り状を発行できるようになるという。
自信のあるあんしん保守サポートを15ヶ月無償提供
今回の弥生 13シリーズでは製品だけではなく、プログラムや操作のサポート、データ保険、業務支援などの「あんしん保守サポート」を大幅強化した。「業務コンシェルジュ」を掲げ、製品の保守にとどまらず、日常業務全般のバックアップをコンセプトに据える。具体的には、繁忙期の土曜を含むサポート対応時間の延長や電話や画面共有で解決が難しいと判断した場合の訪問指導、個人事業者向けの確定申告相談のほか、前述した「PC周辺アップグレードサービス」実務に役立つセミナーを動画で提供する「業務動画ライブラリー」などの業務支援サービスも提供していくという。
さらに、これに伴ない弥生 13シリーズの新規購入者にあんしん保守サポートを最大15ヶ月無償提供する「あんしんキャンペーン」も実施する。これは社会保障と税の一体改革に対応すべく、期間中に施行される法令改正に何度も対応するものだ。岡本氏は、87.3%というサービス高い継続率を挙げ、「とにかくあんしん保守サポートには自信がある。お客様のいつ買えばいいんだろうという不安を解消し、あんしん保守サポートのメリットを実感していただく」とアピールした。